カンキツ ‘はるみ’ の枝径を用いた摘果基準の策定と評価

カンキツ ‘はるみ’ において枝径と葉重の関係に基づき摘果基準(枝径)を策定し,生産性と果実特性に及ぼす影響を評価した.枝径Xと葉重Yの関係はY = AXBの数式で示された.この式の係数に基づき標準樹相の葉数100に相当する枝径を計算し,葉果比100に対応する摘果基準として樹相ごとに設定した(例;0.80 cmの枝に果実1個着果).これら摘果基準を各樹相に適用した結果,摘果率は着果量に応じて91.4%から57.2%に分散し,樹冠容積当たり収穫数は樹相間で有意差がなかった.商品価値が高いとされる180 g~250 gの果実割合は標準樹相で50%以上を維持し,裏年樹相で摘果基準の改良に伴い改善され...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 20; no. 4; pp. 407 - 413
Main Authors 西川, 芙美恵, 瀧下, 文孝, 加藤, 雅也, 深町, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2021
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ISSN1347-2658
1880-3571
DOI10.2503/hrj.20.407

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Summary:カンキツ ‘はるみ’ において枝径と葉重の関係に基づき摘果基準(枝径)を策定し,生産性と果実特性に及ぼす影響を評価した.枝径Xと葉重Yの関係はY = AXBの数式で示された.この式の係数に基づき標準樹相の葉数100に相当する枝径を計算し,葉果比100に対応する摘果基準として樹相ごとに設定した(例;0.80 cmの枝に果実1個着果).これら摘果基準を各樹相に適用した結果,摘果率は着果量に応じて91.4%から57.2%に分散し,樹冠容積当たり収穫数は樹相間で有意差がなかった.商品価値が高いとされる180 g~250 gの果実割合は標準樹相で50%以上を維持し,裏年樹相で摘果基準の改良に伴い改善された.翌年の着花は継続的な生産を行うのに支障のない値を示した.以上のことから,樹相に応じた摘果基準として枝径を適用することにより,‘はるみ’ の適正な着果数管理が行われ,商品価値の高いサイズの果実を生産することが可能であることが示された.
Bibliography:ZZ20004168
940274
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.20.407