京都府の早生丹波黒大豆系エダマメ商品『京 夏ずきん』の開花特性に基づく作型の開発

京都府の新たな丹波黒大豆系エダマメ『京 夏ずきん』 (「夏どり丹波黒1号」および「夏どり丹波黒2号」の2品種による商品) の安定生産が可能な作型を開発するために,光周性を中心に開花特性を把握するとともに,露地栽培における播種期の検討および簡易施設を利用した『京 夏ずきん』品種の作期前進の可能性を調査した.限界日長の存在が認められる「紫ずきん」,「紫ずきん2号」および「新丹波黒」に対し,「夏どり丹波黒1号」と「夏どり丹波黒2号」は,日長に関わらず開花が認められた.露地における移植栽培で4~5月の間で播種期を移動させると,播種期に応じて収穫期が移動した.目標収量が得られる栽培適期は,5月上旬~下旬...

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Published inJapanese journal of crop science Vol. 87; no. 1; pp. 1 - 11
Main Author 杉本, 充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作物学会 01.01.2018
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ISSN0011-1848
1349-0990
DOI10.1626/jcs.87.1

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Summary:京都府の新たな丹波黒大豆系エダマメ『京 夏ずきん』 (「夏どり丹波黒1号」および「夏どり丹波黒2号」の2品種による商品) の安定生産が可能な作型を開発するために,光周性を中心に開花特性を把握するとともに,露地栽培における播種期の検討および簡易施設を利用した『京 夏ずきん』品種の作期前進の可能性を調査した.限界日長の存在が認められる「紫ずきん」,「紫ずきん2号」および「新丹波黒」に対し,「夏どり丹波黒1号」と「夏どり丹波黒2号」は,日長に関わらず開花が認められた.露地における移植栽培で4~5月の間で播種期を移動させると,播種期に応じて収穫期が移動した.目標収量が得られる栽培適期は,5月上旬~下旬に播種する作型と考えられ,収穫期は8月上旬~下旬であった.4月播種によって7月中下旬の収穫が可能と認めたが,供試した『京 夏ずきん』品種には,栄養成長量と収量に高い関係性が認められ,特に4月中旬の播種栽培では他の播種期より莢数,莢重が少なかった.無加温のビニルハウスを用いて,収穫期の前進と安定収量を両立する作型を開発するには,3月1日播種栽培では栄養成長量が小さく,その結果,莢数,莢重も少なかった.これより,播種期は3月下旬以降,移植期は4月上旬以降からの時期で検討すべきと考えられ,収穫期の前進目標は6月中下旬になるものと推定された.
Bibliography:920757
ZZ00014890
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.87.1