カンキツ ‘はるみ’ における貯蔵中の障害果発生に及ぼすポリエチレン包装と果実サイズの影響

カンキツ ‘はるみ’ において,12月に収穫し常温貯蔵したときのPE包装と果実サイズが果実品質と障害果発生に及ぼす影響を検討した.果実サイズとPE包装の有無について検討した試験1において,無包装区ではM,Lの小さい果実で果皮の萎凋程度が大きかったが,PE包装により顕著に抑制された.浮皮は,果実サイズが小さいほど発生程度が低かった.無包装の2Lから4Lの大きな果実ではす上がりの発生程度が高かったが,PE包装により抑制された.一方,PE包装期間と時期の影響を比較した試験2において,果実の減量歩合はPE包装期間と時期に関わらず顕著に抑制された.また,3月貯蔵では2月上旬から3月中旬まで,4月貯蔵では...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 21; no. 1; pp. 101 - 109
Main Authors 西川, 芙美恵, 松本, 光, 瀧下, 文孝, 加藤, 雅也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2022
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ISSN1347-2658
1880-3571
DOI10.2503/hrj.21.101

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Summary:カンキツ ‘はるみ’ において,12月に収穫し常温貯蔵したときのPE包装と果実サイズが果実品質と障害果発生に及ぼす影響を検討した.果実サイズとPE包装の有無について検討した試験1において,無包装区ではM,Lの小さい果実で果皮の萎凋程度が大きかったが,PE包装により顕著に抑制された.浮皮は,果実サイズが小さいほど発生程度が低かった.無包装の2Lから4Lの大きな果実ではす上がりの発生程度が高かったが,PE包装により抑制された.一方,PE包装期間と時期の影響を比較した試験2において,果実の減量歩合はPE包装期間と時期に関わらず顕著に抑制された.また,3月貯蔵では2月上旬から3月中旬まで,4月貯蔵では2月中旬から4月中旬までPE包装した果実において,果皮萎凋の発生程度は無包装のものと比べて低く,糖度は無包装のものと同程度だった.これらの結果から,カンキツ ‘はるみ’ において,L以下の果実を貯蔵後半にPEで包装することにより,果皮萎凋の発生を抑えつつ糖度を上昇させることができると考えられた.
Bibliography:940819
ZZ20004168
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.21.101