営農技術体系評価・計画システムFAPSの開発

多様な営農リスクや経営目標を明示的に考慮できる営農計画手法を簡易に利用できるように,目標分析やリスク分析が行えるシステムを開発した.このシステムでは,試算分析と数理計画法の統合的利用が可能である.システムは,表計算ソフトをベースにVBAを用いて開発されており,手法面では多様な経営目標,収益リスクおよび作業リスク,労働や土地の制約に加えて機械作業時間や施設処理能力の制約が考慮できる点が特徴である.また,システム面では,機械作業可能時間等の算出機能,演算に用いるモデル構造の選択機能が特徴である.1996年7月の試作システムの配布開始から2001年12月末までの累積利用申込者数は575件であり,この...

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Published in農業情報研究 Vol. 11; no. 2; pp. 141 - 159
Main Author 南石, 晃明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 農業情報学会 2002
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ISSN0916-9482
1881-5219
DOI10.3173/air.11.141

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Summary:多様な営農リスクや経営目標を明示的に考慮できる営農計画手法を簡易に利用できるように,目標分析やリスク分析が行えるシステムを開発した.このシステムでは,試算分析と数理計画法の統合的利用が可能である.システムは,表計算ソフトをベースにVBAを用いて開発されており,手法面では多様な経営目標,収益リスクおよび作業リスク,労働や土地の制約に加えて機械作業時間や施設処理能力の制約が考慮できる点が特徴である.また,システム面では,機械作業可能時間等の算出機能,演算に用いるモデル構造の選択機能が特徴である.1996年7月の試作システムの配布開始から2001年12月末までの累積利用申込者数は575件であり,このうち66%を都道府県の農業改良普及センターや試験研究機関が占めている.システムの適用事例は少なくとも80以上があり,技術評価と営農計画に大別できる.本研究により,システムが持つべき機能および基本構造は明らかになった。今後の課題としては,システムが取り扱うデータを3種類に区分し,農業技術体系データベースを構築することが求められている。
ISSN:0916-9482
1881-5219
DOI:10.3173/air.11.141