実験的急性腎不全犬におけるContinuous Arteriovenous Hemofiltrationの効果

急性腎不全犬に対する新しい治療法を開発するため, Continuous Arteriovenous Hemofiltration (CAVH) を実験的急性腎不全犬を用いて検討した.実験には10頭の雑種犬を用い, 全身麻酔下で両側の腎動静脈および尿管を結紮して急性腎不全犬を作製した.このうち5頭で腎動静脈の結紮後24時間経過した時点より膜面積0.3m2のヘモフィルターを大腿動静脈間に接続して24時間のCAVHを施行した.他の5頭は対照群とし, それぞれ経時的に血液検査を行うとともに血行動態を観察した.その結果, CAVH施行例では対照群でみられた経時的な高窒素血症の進行は完全に抑制され, 血行...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 46; no. 1; pp. 46 - 50
Main Authors 上月, 茂和, 鶴野, 光興, 山田, フキ, 小出, 由紀子, 野一色, 泰晴, 山根, 義久, 小出, 和欣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.01.1993
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma1951.46.46

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Summary:急性腎不全犬に対する新しい治療法を開発するため, Continuous Arteriovenous Hemofiltration (CAVH) を実験的急性腎不全犬を用いて検討した.実験には10頭の雑種犬を用い, 全身麻酔下で両側の腎動静脈および尿管を結紮して急性腎不全犬を作製した.このうち5頭で腎動静脈の結紮後24時間経過した時点より膜面積0.3m2のヘモフィルターを大腿動静脈間に接続して24時間のCAVHを施行した.他の5頭は対照群とし, それぞれ経時的に血液検査を行うとともに血行動態を観察した.その結果, CAVH施行例では対照群でみられた経時的な高窒素血症の進行は完全に抑制され, 血行動態も終始安定していた.今回の成績により, CAVH は犬の急性腎不全時における有用な新しい血液浄化法として期待できるものと思われた.
Bibliography:ZZ00014801
500700
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.46.46