牛の膠芽細胞腫の組織学的, 免疫組織化学的観察
6カ月齢, ホルスタイン種雌牛の小脳下部から小脳脚にかけてみいだされた母指頭大の腫瘍を組織学的, 免疫組織化学的に検討した. 腫瘍組織は, 著しい多形性と多数の核分裂像を示す腫瘍細胞からなり, 一部に肥絆型星状膠細胞に類似した細胞が認められた. 腫瘍組織の一部は壊死に陥り, 血管および膠原線維の増生もみられた 腫瘍細胞はときにグリア細線維性酸性蛋白 (GFAP) 陽性を示したが, 多くの細胞はS-100蛋白のα鎖およびβ鎖陽性であった.神経特異性エノラーゼ (NSE) は少数の細胞で陽性を示した. 以上のような所見から本症例は膠芽細胞腫と診断され, 他の神経系原発腫瘍と比較して議論された....
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Published in | Nippon Juishikai zasshi Vol. 43; no. 1; pp. 37 - 41 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本獣医師会
01.01.1990
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Subjects | |
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ISSN | 0446-6454 2186-0211 |
DOI | 10.12935/jvma1951.43.37 |
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Summary: | 6カ月齢, ホルスタイン種雌牛の小脳下部から小脳脚にかけてみいだされた母指頭大の腫瘍を組織学的, 免疫組織化学的に検討した. 腫瘍組織は, 著しい多形性と多数の核分裂像を示す腫瘍細胞からなり, 一部に肥絆型星状膠細胞に類似した細胞が認められた. 腫瘍組織の一部は壊死に陥り, 血管および膠原線維の増生もみられた 腫瘍細胞はときにグリア細線維性酸性蛋白 (GFAP) 陽性を示したが, 多くの細胞はS-100蛋白のα鎖およびβ鎖陽性であった.神経特異性エノラーゼ (NSE) は少数の細胞で陽性を示した. 以上のような所見から本症例は膠芽細胞腫と診断され, 他の神経系原発腫瘍と比較して議論された. |
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Bibliography: | ZZ00014801 403114 |
ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma1951.43.37 |