メタノール-リン酸抽出による黒ボク土におけるクロルピリホスの測定

有機リン殺虫剤クロルピリホスの畑土条件下での残留性を千葉と松戸の黒ボク土を用いて土壌の滅菌処理, 温度 (15, 25, 35℃) や水分 (20, 30, 40%) を変えて室内実験により研究した. 土壌からメタノールで抽出後, 85%リン酸処理によって残留するクロルピリホスを遊離させ, 再びメタノールで抽出した. 遊離したクロルピリホスは千葉土壌で最大18%, 松戸土壌で10%検出されたが, 長期間土壌中に残留した. 土壌中の半減期は千葉土壌で28日, 松戸土壌で14日であり, 温度の上昇に伴って分解は速くなった. メタノールで抽出されない残留体は千葉>松戸であり, 有機炭素含量と正...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Pesticide Science Vol. 25; no. 4; pp. 387 - 391
Main Authors 本山, 直樹, ラハマン, G. K. M. M.
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 2000
Online AccessGet full text
ISSN1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.25.387

Cover

More Information
Summary:有機リン殺虫剤クロルピリホスの畑土条件下での残留性を千葉と松戸の黒ボク土を用いて土壌の滅菌処理, 温度 (15, 25, 35℃) や水分 (20, 30, 40%) を変えて室内実験により研究した. 土壌からメタノールで抽出後, 85%リン酸処理によって残留するクロルピリホスを遊離させ, 再びメタノールで抽出した. 遊離したクロルピリホスは千葉土壌で最大18%, 松戸土壌で10%検出されたが, 長期間土壌中に残留した. 土壌中の半減期は千葉土壌で28日, 松戸土壌で14日であり, 温度の上昇に伴って分解は速くなった. メタノールで抽出されない残留体は千葉>松戸であり, 有機炭素含量と正の相関を示し, 土壌有機物への吸着が示唆された. 両土壌とも滅菌処理によって分解速度は遅くなったが, 遊離するクロルピリホスは酸処理によってあまり差がなかった.
Bibliography:621490
ZZ00015061
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.25.387