Sarcocystis fayeriのウサギに対する下痢原性

Sarcocystis fayeriの経口摂取によってウサギに対して,下痢が誘発されるか否かをブラディゾイトを用いて試みた.5.5×106個のブラディゾイト投与で食欲不振や沈鬱などとともに軟便が観察された.1.5×107個では,水様性の下痢を呈するようになり,さらに5.5×107個の投与では重篤な水様性下痢から全例死亡した.1.5×107個のブラディゾイトを投与後の経時的観察では,3時間後から食欲不振,沈鬱などの症状とともに,病理組織学的には,小腸の粘膜上皮細胞のアポトーシスと剝離・脱落が認められ,6及び9時間後になると腸絨毛の短縮もみられた.一方,下痢は投与後9時間で初めて出現した.以上の成...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 66; no. 11; pp. 813 - 815
Main Authors 橋本, 勝弘, 小西, 良子, 新井, 陽子, 斉藤, 守弘, 鎌田, 洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.11.2013
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.66.813

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Summary:Sarcocystis fayeriの経口摂取によってウサギに対して,下痢が誘発されるか否かをブラディゾイトを用いて試みた.5.5×106個のブラディゾイト投与で食欲不振や沈鬱などとともに軟便が観察された.1.5×107個では,水様性の下痢を呈するようになり,さらに5.5×107個の投与では重篤な水様性下痢から全例死亡した.1.5×107個のブラディゾイトを投与後の経時的観察では,3時間後から食欲不振,沈鬱などの症状とともに,病理組織学的には,小腸の粘膜上皮細胞のアポトーシスと剝離・脱落が認められ,6及び9時間後になると腸絨毛の短縮もみられた.一方,下痢は投与後9時間で初めて出現した.以上の成績から,S. fayeriはウサギに対して小腸粘膜の傷害に起因する下痢を引き起こすことが明らかとなった.
Bibliography:870250
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.66.813