フェニトロチオンの鳥類における代謝
14C-環標識フェニトロチオン (5.54mCi/mmole) を雌ウズラに5mg/kg 1回経口投与, 雌鶏には2mg/kg/day×7日間, 経口投与すると, いずれの場合も6時間で, 14Cの95%以上が排泄され, 24時間後には排泄は完全であり, 臓器, 組織には14Cは残存しなかった. 連続投与した鶏の場合, 産卵中14C量は投与14Cの0.2% (0.055μgフェニトロチオン相当/g卵) にすぎなかった. 排泄物, 卵中に見いだされた14C-代謝産物 (18個) のうち, 主要なものはウズラ, 鶏共に3-メチル-4-ニトロフェノールおよびその硫酸抱合体であり, これらはウズラで排...
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Published in | Journal of Pesticide Science Vol. 4; no. 2; pp. 175 - 185 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本農薬学会
1979
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-589X 0385-1559 1349-0923 |
DOI | 10.1584/jpestics.4.175 |
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Summary: | 14C-環標識フェニトロチオン (5.54mCi/mmole) を雌ウズラに5mg/kg 1回経口投与, 雌鶏には2mg/kg/day×7日間, 経口投与すると, いずれの場合も6時間で, 14Cの95%以上が排泄され, 24時間後には排泄は完全であり, 臓器, 組織には14Cは残存しなかった. 連続投与した鶏の場合, 産卵中14C量は投与14Cの0.2% (0.055μgフェニトロチオン相当/g卵) にすぎなかった. 排泄物, 卵中に見いだされた14C-代謝産物 (18個) のうち, 主要なものはウズラ, 鶏共に3-メチル-4-ニトロフェノールおよびその硫酸抱合体であり, これらはウズラで排泄14Cの70.5%, 鶏で50.8%を占めた. 哺乳動物における主要代謝物である脱メチル体は10-15%にとどまった. また哺乳動物ではほとんど見いだされないm-メチル基の酸化体が10-15%, 見いだされた. 鳥類 (ウズラ, 鶏, キジ, マガモ) におけるフェニトロチオンおよびフェニトロオキソンの in vitro での代謝を哺乳動物 (ラット, マウス) と比較したところ, 鳥類のほうがm-メチル基の酸化はより速やかであり, P-O-メチル結合の脱メチル化はよりゆるやかであった. |
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Bibliography: | 191992 ZZ00015061 |
ISSN: | 1348-589X 0385-1559 1349-0923 |
DOI: | 10.1584/jpestics.4.175 |