中/内耳疾患を疑う犬における聴性脳幹誘発反応の有用性の検討

中/内耳障害を疑った5頭の犬に聴性脳幹誘発反応(BAER)検査を行った. 伝音難聴や内耳性感音難聴,後迷路性難聴に一致する所見が得られ,各種臨床所見と合わせてそれぞれ中耳炎,内耳炎,脳幹障害の併発を特定することができた. 本検査は軽度鎮静下あるいは覚醒下で実施可能であるため,麻酔が困難な症例や,治療評価のための繰り返しの検査が必要な症例に大変有用であった.聴覚経路の異常を疑う犬において,BAER検査は難聴の診断のみならず中/内耳疾患の診断補助や治療の指標として有用性が高いことが示唆された....

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 63; no. 7; pp. 531 - 537
Main Authors 並河, 和彦, 齋藤, 弥代子, 落合, 秀治, 長村, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.07.2010
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.63.531

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Summary:中/内耳障害を疑った5頭の犬に聴性脳幹誘発反応(BAER)検査を行った. 伝音難聴や内耳性感音難聴,後迷路性難聴に一致する所見が得られ,各種臨床所見と合わせてそれぞれ中耳炎,内耳炎,脳幹障害の併発を特定することができた. 本検査は軽度鎮静下あるいは覚醒下で実施可能であるため,麻酔が困難な症例や,治療評価のための繰り返しの検査が必要な症例に大変有用であった.聴覚経路の異常を疑う犬において,BAER検査は難聴の診断のみならず中/内耳疾患の診断補助や治療の指標として有用性が高いことが示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
792791
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.63.531