後天性口蓋欠損に口蓋キャップを長期適用した犬と猫の2例

外傷により後天性口蓋欠損を生じた猫および口腔内の悪性メラノーマに対する放射線治療,局所的化学療法により後天性口蓋欠損を生じた犬に対して,シリコン系義歯床用長期弾性裏装材を用いて口蓋キャップを作成し,長期間の使用経験を得た.外傷性口蓋欠損の猫においては口蓋欠損の外科的整復を繰り返したが治癒せず,口蓋キャップを装着した.その後2年以上の長期にわたり,口蓋キャップは使用が可能であった.口腔内腫瘍の犬においては放射線治療により生じた後天性口蓋欠損に対して口蓋キャップを装着した.その後,腫瘍の再発により複数回の口蓋キャップ作成を行い,1年以上にわたりQOLを維持できた.口蓋キャップは比較的短時間の鎮静麻...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 63; no. 3; pp. 208 - 210
Main Authors 岩谷, 直, 丸尾, 幸嗣, 伊藤, 祐典, 山田, 茂夫, 星野, 有希, 渡邊, 一弘, 森, 崇, 鈴木, 雅也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.03.2010
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.63.208

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Summary:外傷により後天性口蓋欠損を生じた猫および口腔内の悪性メラノーマに対する放射線治療,局所的化学療法により後天性口蓋欠損を生じた犬に対して,シリコン系義歯床用長期弾性裏装材を用いて口蓋キャップを作成し,長期間の使用経験を得た.外傷性口蓋欠損の猫においては口蓋欠損の外科的整復を繰り返したが治癒せず,口蓋キャップを装着した.その後2年以上の長期にわたり,口蓋キャップは使用が可能であった.口腔内腫瘍の犬においては放射線治療により生じた後天性口蓋欠損に対して口蓋キャップを装着した.その後,腫瘍の再発により複数回の口蓋キャップ作成を行い,1年以上にわたりQOLを維持できた.口蓋キャップは比較的短時間の鎮静麻酔で作成が可能であり,裂開を繰り返す口蓋欠損や積極的な治療が必要な口腔内悪性腫瘍の治療後に生じた口蓋欠損の修復に対して有用性が高く,今後もさらなる適用が望まれる.
Bibliography:ZZ00014801
791100
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.63.208