野鳥から分離されたプラック形成能を有するトリロタウイルスの性状

野鳥(ビロードキンクロ)の糞便から, 鶏腎細胞(CKC)に円形化のCPEを生ずるウイルスを分離した. このウイルスは, 間接蛍光抗体法(IFA)で抗ウシロタウイルス血清と反応し, また, 通常の方法でCKC上に明瞭なプラックを形成した. プラックサイズ(小, 中, 大)の違いから, プラッククローニングにより3つのクローンを選択した. 中和試験においては3クローンに違いは認められなかったが, SDS-PAGEの二本鎖(ds) RNA泳動パターンでやや差がみられた. CPE, IFA, ウイルス粒子形態, 及びdsRNA泳動パターンから, 分離ウイルスをA群に属するトリロタウイルスであると同定し...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 53; no. 3; pp. 479 - 486
Main Authors 水上, 昌也, 桑原, 正和, 吉村, 政雄, 木内, 英昭, 柳沢, 郁成, 竹原, 一明, 松田, 治子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1991
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ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.53.479

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Summary:野鳥(ビロードキンクロ)の糞便から, 鶏腎細胞(CKC)に円形化のCPEを生ずるウイルスを分離した. このウイルスは, 間接蛍光抗体法(IFA)で抗ウシロタウイルス血清と反応し, また, 通常の方法でCKC上に明瞭なプラックを形成した. プラックサイズ(小, 中, 大)の違いから, プラッククローニングにより3つのクローンを選択した. 中和試験においては3クローンに違いは認められなかったが, SDS-PAGEの二本鎖(ds) RNA泳動パターンでやや差がみられた. CPE, IFA, ウイルス粒子形態, 及びdsRNA泳動パターンから, 分離ウイルスをA群に属するトリロタウイルスであると同定した. 発育鶏卵へ接種したところ, 卵黄嚢内接種により, 3クローンとも鶏胚を死亡させた.
Bibliography:472451
ZZ00004754
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.53.479