PCRによるコムギ混合粉中のデュラム/普通コムギと普通コムギの識別法の開発

PCRを活用した4および6倍体と6倍体コムギとの識別法を開発した.A,BおよびDゲノムで構成される普通コムギは6倍体コムギに,AおよびBゲノムで構成されるデュラムコムギは4倍体コムギに分類される.SS II遺伝子は各コムギA,BおよびDゲノムにコードされ,それらのDNA塩基配列はわずかに異なる.この差異を識別する2種の異なるプライマー対を設計した.プライマー対SS II ex7-U/LはSS II-A,B,Dに共通の配列を認識し,4および6倍体コムギDNAから114 bpのPCR増幅産物を生じた.一方,プライマー対SS II-D 1769U/1889LはSS II-D上の特異的な配列を認識し,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 53; no. 5; pp. 195 - 202
Main Authors 荒見, 真一郎, 古井, 聡, 原口, 浩幸, 栗本, 洋一, 田中, 啓子, 橘田, 和美, 松岡, 靖幸, 真野, 潤一, 佐藤, 恵美, 今井, 伸二郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.10.2012
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.53.195

Cover

More Information
Summary:PCRを活用した4および6倍体と6倍体コムギとの識別法を開発した.A,BおよびDゲノムで構成される普通コムギは6倍体コムギに,AおよびBゲノムで構成されるデュラムコムギは4倍体コムギに分類される.SS II遺伝子は各コムギA,BおよびDゲノムにコードされ,それらのDNA塩基配列はわずかに異なる.この差異を識別する2種の異なるプライマー対を設計した.プライマー対SS II ex7-U/LはSS II-A,B,Dに共通の配列を認識し,4および6倍体コムギDNAから114 bpのPCR増幅産物を生じた.一方,プライマー対SS II-D 1769U/1889LはSS II-D上の特異的な配列を認識し,6倍体コムギからのみ121 bpの増幅産物を生じた.コムギと他の穀物からなるコムギ混合物を本PCRに供したところ,4および6倍体コムギと6倍体コムギを効果的に識別することができた.以上のことから,本PCRは食品原料粉中の普通およびデュラムコムギの識別を可能とし,コムギの正確な表示に有用であることが示された.
Bibliography:834058
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.53.195