鮭皮コラーゲンペプチドの牛蹄冠部周囲真皮への影響と効果

牛に飼料とともに鮭皮由来コラーゲンペプチド(MCP)を8週間摂取させ,前肢蹄冠の背側,外側,指間の真皮を解析した. MCP群の背側と外側の蹄冠皮膚は真皮の厚さ,線維芽細胞数,コラーゲン細線維の直径が増加,上昇した. MCP群の指間真皮の線維芽細胞数は増加したが,厚さは低下し,コラーゲン細線維直径は減少した. 線維径を調整するデルマタン硫酸とⅤ型コラーゲンはMCP群のすべての部位で増加し,特に指間での増加が顕著であった. 結合組織の強さの指数MADは背側と外側で増加したが指間では減少した. MCP投与による指間真皮のユニークな応答は細いコラーゲン細線維を集めて柔軟な結合組織を形成し,着地時の衝撃...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 63; no. 1; pp. 38 - 43
Main Authors 植田, 弘美, 竹花, 一成, 後藤, 千尋, 阿部, 敬, 永易, 彩, 保坂, 善真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.01.2010
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.63.38

Cover

More Information
Summary:牛に飼料とともに鮭皮由来コラーゲンペプチド(MCP)を8週間摂取させ,前肢蹄冠の背側,外側,指間の真皮を解析した. MCP群の背側と外側の蹄冠皮膚は真皮の厚さ,線維芽細胞数,コラーゲン細線維の直径が増加,上昇した. MCP群の指間真皮の線維芽細胞数は増加したが,厚さは低下し,コラーゲン細線維直径は減少した. 線維径を調整するデルマタン硫酸とⅤ型コラーゲンはMCP群のすべての部位で増加し,特に指間での増加が顕著であった. 結合組織の強さの指数MADは背側と外側で増加したが指間では減少した. MCP投与による指間真皮のユニークな応答は細いコラーゲン細線維を集めて柔軟な結合組織を形成し,着地時の衝撃を緩衝するためと考察した. MCPは線維芽細胞に作用し蹄冠の各部位に即した太さのコラーゲン細線維を産生させ,真皮構造を強化する効果があると考えられた.
Bibliography:ZZ00014801
791084
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.63.38