三尖弁逆流を伴う僧帽弁閉鎖不全症の犬の血清Big Endothelin-1濃度による肺高血圧症検出の試み

三尖弁逆流を認める僧帽弁疾患の犬の血清big endothelin-1 (big ET-1)濃度を測定し,肺高血圧症のバイオマーカーとしての有用性を検討した。big ET-1はELISA法を用いて,13頭の三尖弁逆流を有す僧帽弁疾患の犬を対象に測定された。推定収縮期肺動脈圧(SPAP),右室長軸径(RVL),右室短軸径(RVS),右房長軸径(RAL),右房短軸径(RAS)および三尖弁拡張早期波血流速度/三尖弁輪拡張早期速度比(TVE/E′)は血清big ET-1濃度が16 pg/ml未満の群と比較して16 pg/ml以上の群で有意に高値を認めた。さらにbig ET-1はSPAP, RAL, R...

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Published inDōbutsu no junkanki Vol. 49; no. 1; pp. 1 - 9
Main Authors 福本, 真也, 打出, 毅, 岩野, 英知, 華園, 究, 吉田, 智彦, 小川, 雄基, 吉田, 慧, 宮庄, 拓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本獣医循環器学会 2016
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ISSN0910-6537
1883-5260
DOI10.11276/jsvc.49.1

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Summary:三尖弁逆流を認める僧帽弁疾患の犬の血清big endothelin-1 (big ET-1)濃度を測定し,肺高血圧症のバイオマーカーとしての有用性を検討した。big ET-1はELISA法を用いて,13頭の三尖弁逆流を有す僧帽弁疾患の犬を対象に測定された。推定収縮期肺動脈圧(SPAP),右室長軸径(RVL),右室短軸径(RVS),右房長軸径(RAL),右房短軸径(RAS)および三尖弁拡張早期波血流速度/三尖弁輪拡張早期速度比(TVE/E′)は血清big ET-1濃度が16 pg/ml未満の群と比較して16 pg/ml以上の群で有意に高値を認めた。さらにbig ET-1はSPAP, RAL, RAS, RVL,およびRVSに有意な正の相関が認められた。結論としてbig ET-1は肺高血圧症を有する僧帽弁疾患の犬で上昇することが示され,肺高血圧症の臨床的重症度の指標となる可能性を有していると考えられた。
Bibliography:902682
ZZ00011639
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc.49.1