水稲の分光反射特性とLAI,DWとfPARに関する基礎的研究

広範囲を同時に測定できる衛星データの利便性を利用して, 農作物の収量予測にリモートセンシングの手法を用いる試みは多く報告されている。温度等をパラメータとした従来の水稲の生育モデルに分光反射特性をファクターに加えた研究が近年多く報告されている。筆者等も分光反射特性を利用した水稲の生育モデルを構築する研究の一環として, 異なる窒素量を施肥した水稲の試験区を設定し, 水稲の分光反射特性と草丈·分げつ数·葉面積·乾燥重量等を測定し, 植生指標と施肥量, 植生指標と水稲の生物物理量, 分光反射特性とfPAR等について検討し, 以下の結論を得た。(1)生育期間中における水稲の分光反射特性の変化は, 窒素施...

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Published inNōgyō kishō Vol. 59; no. 1; pp. 13 - 21
Main Authors D.A., ワヒド, 平山, 慎作, 上田, 耕平, 石黒, 悦爾, 下田代, 智英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農業気象学会 2003
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ISSN0021-8588
1881-0136
DOI10.2480/agrmet.59.13

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Summary:広範囲を同時に測定できる衛星データの利便性を利用して, 農作物の収量予測にリモートセンシングの手法を用いる試みは多く報告されている。温度等をパラメータとした従来の水稲の生育モデルに分光反射特性をファクターに加えた研究が近年多く報告されている。筆者等も分光反射特性を利用した水稲の生育モデルを構築する研究の一環として, 異なる窒素量を施肥した水稲の試験区を設定し, 水稲の分光反射特性と草丈·分げつ数·葉面積·乾燥重量等を測定し, 植生指標と施肥量, 植生指標と水稲の生物物理量, 分光反射特性とfPAR等について検討し, 以下の結論を得た。(1)生育期間中における水稲の分光反射特性の変化は, 窒素施肥量ならびにその効果時期により異なる特性を示した。(2)NDVIは施肥量による差異は明確には認められなかったが, RVIの変化はとりわけ登熟期間で大きく異なった。(3)Red Edge Pointsは葉面積指数(LAI)乾燥重量(DW)ならびに光合成有効放射量(fPAR)には高い相関は認められなかった。(4)登熟期に有効とされるR830/R550は全生育期間においてLAIとDWに対して高い相関を示した。とりわけfPARは非常に高い相関を示した。本研究で得られた分光反射特性より導出したRVIの対数とR830/R550は水稲の生育モデルを構築する際の有効なファクターとなることが示唆された。
Bibliography:ZZ00015066
670828
ISSN:0021-8588
1881-0136
DOI:10.2480/agrmet.59.13