土地利用シナリオに基づいた生態系サービスの空間評価と社会的価値の定量化(<特集1>生態系サービスの総合的な指標化)

生態系サービスを評価する方法には生態系から供給される量と人間社会がサービスとして認識する量を評価する二つのアプローチがある。環境財の経済評価は環境経済学の分野で開発されてきたが、土地被覆を始めとする生物物理指標に基づいて空間的に経済評価まで行う手法が注目されるようになってきた。特に将来の土地利用オプションに基づき生態系サービスの変化予測を示すことは、サービス間トレードオフを考慮した意思決定を可能にする。本稿では北海道釧路川流域を評価対象として、生物物理指標による供給量の評価は経済評価とどのように関連するのか、土地利用シナリオに基づく分析事例や表明選好法における生態系情報の扱いについて既往研究の...

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Published inNihon Seitai Gakkai shi Vol. 65; no. 2; pp. 145 - 153
Main Authors 庄山, 紀久子, 山形, 与志樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本生態学会 01.07.2015
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ISSN0021-5007
2424-127X
DOI10.18960/seitai.65.2_145

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Summary:生態系サービスを評価する方法には生態系から供給される量と人間社会がサービスとして認識する量を評価する二つのアプローチがある。環境財の経済評価は環境経済学の分野で開発されてきたが、土地被覆を始めとする生物物理指標に基づいて空間的に経済評価まで行う手法が注目されるようになってきた。特に将来の土地利用オプションに基づき生態系サービスの変化予測を示すことは、サービス間トレードオフを考慮した意思決定を可能にする。本稿では北海道釧路川流域を評価対象として、生物物理指標による供給量の評価は経済評価とどのように関連するのか、土地利用シナリオに基づく分析事例や表明選好法における生態系情報の扱いについて既往研究のレビューとともに議論する。さらに生態系の価値は地域社会のなかでどのような要因と関連付いて分布するのか、地域住民の価値認識を空間的に評価した事例を紹介する。
Bibliography:ZZ00015063
900218
ISSN:0021-5007
2424-127X
DOI:10.18960/seitai.65.2_145