環境放射線モニタを用いた堆積有機物層および表層土壌中の放射性物質濃度の簡易測定

迅速,簡易に森林生態系内の放射性セシウム(Cs)濃度を推定するために,環境放射線モニタと専用容器を用いた測定条件の検討と測定法の有効性について検討した。本法により得られた堆積有機物層(Ao層)や表層土壌(土壌深0-5cm)の空間線量率は,重量含水率の変化にかかわらず概ね同様の数値を示すとともに,風乾重とほぼ比例関係にあった。このことから,専用容器内に納まるように試料を挿入すれば,一定重量(例えば1kg)あたりに換算することで,Ao層や表層土壌の空間線量率の大小の比較は可能である。Ao層中の落葉の放射性Cs濃度は約1000Bq/kgより高ければ,湿重および風乾重にかかわらず現地,室内にて1kgあ...

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Published inJapanese Journal of Forest Environment Vol. 55; no. 1; pp. 43 - 49
Main Authors 大久保, 達弘, 市川, 貴大, 逢沢, 峰昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 森林立地学会 01.06.2013
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ISSN0388-8673
2189-6275
DOI10.18922/jjfe.55.1_43

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Summary:迅速,簡易に森林生態系内の放射性セシウム(Cs)濃度を推定するために,環境放射線モニタと専用容器を用いた測定条件の検討と測定法の有効性について検討した。本法により得られた堆積有機物層(Ao層)や表層土壌(土壌深0-5cm)の空間線量率は,重量含水率の変化にかかわらず概ね同様の数値を示すとともに,風乾重とほぼ比例関係にあった。このことから,専用容器内に納まるように試料を挿入すれば,一定重量(例えば1kg)あたりに換算することで,Ao層や表層土壌の空間線量率の大小の比較は可能である。Ao層中の落葉の放射性Cs濃度は約1000Bq/kgより高ければ,湿重および風乾重にかかわらず現地,室内にて1kgあたりに換算した試料の空間線量率を測定することにより推定できる。一方,表層土壌の放射性Cs濃度の推定には, Ao層中の落葉に比べて濃度が低いことから,風乾させた上で空間線量率が0.1μSv/h以下の室内にて試料の空間線量率を測定することが望ましい。
Bibliography:ZZ00007967
852705
ISSN:0388-8673
2189-6275
DOI:10.18922/jjfe.55.1_43