逆浸透法による果汁の濃縮における膜の適性の比較と操作圧の影響

DDS平膜型装置と膜素材の異なる逆浸透膜(酢酸セルロース,複合膜,ポリアクリロニトリル系)を用いて果汁の濃縮における膜の適性比較,操作条件ならびに果汁の浸透圧などについて検討した。 (1) ショ糖とブドウ糖の同一濃度の浸透圧の比は分子量の比とほぼ同じ約1.9倍であり,また果糖とブドウ糖の浸透圧は同じであった。果汁の浸透圧の60~80%はこれらの糖に由来するものと考えられた。 (2) 果汁の浸透圧は,10°Bxで11~15kg/cmcm2, 20°Bxでは26~34kg/cmcm2, 30°Bxでは46~60kg/cmcm2であった。これらの浸透圧では,果汁に含まれるショ糖,ブドウ糖,果糖の割合...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 30; no. 11; pp. 636 - 641
Main Authors 福谷, 敬三, 小川, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 01.11.1983
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ISSN0029-0394
DOI10.3136/nskkk1962.30.636

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Summary:DDS平膜型装置と膜素材の異なる逆浸透膜(酢酸セルロース,複合膜,ポリアクリロニトリル系)を用いて果汁の濃縮における膜の適性比較,操作条件ならびに果汁の浸透圧などについて検討した。 (1) ショ糖とブドウ糖の同一濃度の浸透圧の比は分子量の比とほぼ同じ約1.9倍であり,また果糖とブドウ糖の浸透圧は同じであった。果汁の浸透圧の60~80%はこれらの糖に由来するものと考えられた。 (2) 果汁の浸透圧は,10°Bxで11~15kg/cmcm2, 20°Bxでは26~34kg/cmcm2, 30°Bxでは46~60kg/cmcm2であった。これらの浸透圧では,果汁に含まれるショ糖,ブドウ糖,果糖の割合による影響が認められた。 (3) 温州ミカソ清澄果汁を用いて供給液の流量,温度,濃度,操作圧力の要因についての透過流束の変化を調ベた。 i) 透過流束の圧力,流量および温度への依存性は,流量および温度については膜の種類による差はほとんどみられず,圧力については膜の種類によりわずかな差がみられた。 ii) 透過流束を大きくするためには,操作圧力の影響が最も大きく,次いで液温,供給液流量であった。また供給果汁の濃度がより低い範囲において,操作圧力の影響が大であった。
Bibliography:ZZ20000202
280957
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.30.636