予察灯誘殺個体を用いた鹿児島県におけるツヤアオカメムシの推定年間世代数

2006年から2014年の9年間に鹿児島県南さつま市に設置された予察灯へ誘殺されたツヤアオカメムシの個体数の推移から,年間世代数の推定を試みた。しかし,誘殺数は年次変動が大きく,年間世代数を推定することができなかった。そこで,2013年および2014年に誘殺された雌成虫について卵巣の発達程度を調査し,年間世代数の推定を試みた。卵巣を発達させた個体の推移から,2013年は年間1世代を主体とする発生パターン,2014年は年間2世代を主体とする発生パターンであったと推察した。この結果から,鹿児島県における本種の年間世代数は1~2世代であり,年次ごとに変動する可能性が示唆された。世代数が変動した要因と...

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Published inKyūshū Byōgaichu Kenkyūkaiho Vol. 62; pp. 100 - 104
Main Authors 関田, 俊治, 井上, 栄明, 糸山, 享, 本田, 知大, 小沢, 有輝, 松比良, 邦彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州病害虫研究会 2016
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ISSN0385-6410
1884-0035
DOI10.4241/kyubyochu.62.100

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Summary:2006年から2014年の9年間に鹿児島県南さつま市に設置された予察灯へ誘殺されたツヤアオカメムシの個体数の推移から,年間世代数の推定を試みた。しかし,誘殺数は年次変動が大きく,年間世代数を推定することができなかった。そこで,2013年および2014年に誘殺された雌成虫について卵巣の発達程度を調査し,年間世代数の推定を試みた。卵巣を発達させた個体の推移から,2013年は年間1世代を主体とする発生パターン,2014年は年間2世代を主体とする発生パターンであったと推察した。この結果から,鹿児島県における本種の年間世代数は1~2世代であり,年次ごとに変動する可能性が示唆された。世代数が変動した要因としては盛夏期の温度による影響が考えられたが,今後の更なる調査が必要である。
Bibliography:ZZ00014779
903801
ISSN:0385-6410
1884-0035
DOI:10.4241/kyubyochu.62.100