吸着等温線によるアロフェン質火山灰土への硫酸イオン吸着機構の考察

硫酸イオンは, アロフェン質火山灰土に吸着して, 土壌を安定な凝集構造にし, また, 硝酸イオンの移動を促進することが知られている.しかし, その吸着機構は十分明らかになっていない.本研究では, バッチ法により, pH4, 5, 6, 7におけるアロフェン質火山灰土への硫酸イオン吸着量を測定し, その吸着等温線から硫酸イオンの吸着機構を考察した.どのpHにおいても, 横軸を濃度の対数目盛に取った吸着等温線は, 平衡溶液濃度0.5mmolc・l-1の周辺で階段状となり, 異なる吸着エネルギを持つ吸着サイトの存在が示唆された.低pHになるほど吸着エネルギの大きな吸着サイトの割合が大きくなると考えら...

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Published inNōgyō Doboku Gakkai ronbunshū Vol. 2004; no. 230; pp. 187 - 192
Main Authors 牧野, 知之, 服部, 保誠, 石黒, 宗秀, 赤江, 剛夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 農業農村工学会 01.04.2004
農業農村工学会
Subjects
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ISSN0387-2335
1884-7234
DOI10.11408/jsidre1965.2004.187

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Summary:硫酸イオンは, アロフェン質火山灰土に吸着して, 土壌を安定な凝集構造にし, また, 硝酸イオンの移動を促進することが知られている.しかし, その吸着機構は十分明らかになっていない.本研究では, バッチ法により, pH4, 5, 6, 7におけるアロフェン質火山灰土への硫酸イオン吸着量を測定し, その吸着等温線から硫酸イオンの吸着機構を考察した.どのpHにおいても, 横軸を濃度の対数目盛に取った吸着等温線は, 平衡溶液濃度0.5mmolc・l-1の周辺で階段状となり, 異なる吸着エネルギを持つ吸着サイトの存在が示唆された.低pHになるほど吸着エネルギの大きな吸着サイトの割合が大きくなると考えられた.平衡溶液濃度が50mmolc・l-1程度以上で, pHによる差がほとんどなくなり, 濃度上昇に伴い吸着量も増加し続けることを明らかにした.水溶液中での沈殿形成濃度より明らかに低濃度において, 沈殿が土粒子表面で形成されることが示唆された.
Bibliography:ZZ00015250
691601
ISSN:0387-2335
1884-7234
DOI:10.11408/jsidre1965.2004.187