有機及び無機土壌・多孔質体中への毛管上昇浸潤と高濃度アニオン界面活性剤溶液の作用

砂・ガラスビーズの無機物と, 腐葉土・ピート・ポリエチレン粒子の有機物を試料として, 毛管上昇浸潤試験を行い, 各試料の浸潤特性を明らかにした.純水を浸潤させたところ, 毛管上昇高は, 水との親和性を示す接触角の小さい順に対応して, ガラスビーズ>砂>腐葉土>ピート>ポリエチレン粒子の順に高くなった.高濃度アニオン界面活性剤溶液の毛管上昇高は, 腐葉土を除いて, 無機物・有機物とも溶液との接触角に大きな差がないことを反映して, 類似した実験結果となった.これは, 界面活性剤による有機物表面の水との親和性増大に起因する.腐葉土は, 活性剤添加に伴い膨潤率が増大して透水性が...

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Published inNōgyō Doboku Gakkai ronbunshū Vol. 2004; no. 230; pp. 203 - 208
Main Authors 藤井, 知和, 石黒, 宗秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 農業農村工学会 01.04.2004
農業農村工学会
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ISSN0387-2335
1884-7234
DOI10.11408/jsidre1965.2004.203

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Summary:砂・ガラスビーズの無機物と, 腐葉土・ピート・ポリエチレン粒子の有機物を試料として, 毛管上昇浸潤試験を行い, 各試料の浸潤特性を明らかにした.純水を浸潤させたところ, 毛管上昇高は, 水との親和性を示す接触角の小さい順に対応して, ガラスビーズ>砂>腐葉土>ピート>ポリエチレン粒子の順に高くなった.高濃度アニオン界面活性剤溶液の毛管上昇高は, 腐葉土を除いて, 無機物・有機物とも溶液との接触角に大きな差がないことを反映して, 類似した実験結果となった.これは, 界面活性剤による有機物表面の水との親和性増大に起因する.腐葉土は, 活性剤添加に伴い膨潤率が増大して透水性が大幅に低下し, 浸潤が抑制された.浸潤初期の毛管上昇速度が, 浸潤前線吸引圧と飽和透水係数を用いた定数で評価できることを明らかにした.
Bibliography:ZZ00015250
691603
ISSN:0387-2335
1884-7234
DOI:10.11408/jsidre1965.2004.203