地方病性ウシ白血病における補体依存抗体細胞障害試験および免疫蛍光法によって検出された腫瘍関連抗原

ウシ白血病に羅患したウシの腫瘍細胞で, 腫瘍関連抗原(TAA)が補体依存抗体細胞障害試験(CDAC)および免疫蛍光法により検索された. 4頭のウシ白血病例の腫瘍で免疫したウサギ血清を正常牛の赤血球およびリンパ球で吸収し, これを抗TAA血清として用いた. 地力病性ウシ白血病(EBL)に羅患した21頭中18頭の腫瘍細胞はCDACにより陽性反応を示したが, 子ウシ型白血病の1頭は陰性であった. 細胞質中の抗原は免疫蛍光法で検索したEBL牛52頭全例のアセトン固定腫瘍細胞で検出された. 9頭の正常牛のリンパ球, EBL牛から得た3頭の正常胎児のリンパ球および3頭の子ウシ型白血病牛の腫瘍細胞では陽性反...

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Published inJapanese journal of veterinary science Vol. 45; no. 2; pp. 195 - 202
Main Authors 森本, 直子, 岡田, 幸助, 香川, 裕一, 小林, 祐子, 森田, 洋之, 小沼, 操, 沼宮内, 茂, 南野, 久晃, 大島, 寛一, 伊藤, 隆康
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 01.04.1983
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ISSN0021-5295
1881-1442
DOI10.1292/jvms1939.45.195

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Summary:ウシ白血病に羅患したウシの腫瘍細胞で, 腫瘍関連抗原(TAA)が補体依存抗体細胞障害試験(CDAC)および免疫蛍光法により検索された. 4頭のウシ白血病例の腫瘍で免疫したウサギ血清を正常牛の赤血球およびリンパ球で吸収し, これを抗TAA血清として用いた. 地力病性ウシ白血病(EBL)に羅患した21頭中18頭の腫瘍細胞はCDACにより陽性反応を示したが, 子ウシ型白血病の1頭は陰性であった. 細胞質中の抗原は免疫蛍光法で検索したEBL牛52頭全例のアセトン固定腫瘍細胞で検出された. 9頭の正常牛のリンパ球, EBL牛から得た3頭の正常胎児のリンパ球および3頭の子ウシ型白血病牛の腫瘍細胞では陽性反応は観察されなかった. 19頭のEBL牛の末梢血塗抹では37~97%のリンパ系細胞に蛍光が観察された. 一方, 7頭の正常牛の末梢血リンパ球はなんら陽性反応を示さなかった.
Bibliography:271103
ZZ00021048
ISSN:0021-5295
1881-1442
DOI:10.1292/jvms1939.45.195