サイズの異なる2タイプのワムシがスジアラ仔魚の初期摂餌と初期生残に及ぼす影響

Sワムシ (平均背甲長169μm) とタイワムシ (145μm) がスジアラ仔魚の初期摂餌と初期生残に及ぼす影響について検討した。2回の試験で合計5事例の飼育を60klコンクリート水槽で行った。開口前の日齢2~5まで各試験水槽へ2タイプのワムシを15個体/mlの基準で与えた。2回目試験ではタイワムシ給餌区のネガティブコントロール区を設け, 24時間の暗条件とした。日齢3~4の摂餌率と胃内容物を調べるために, 5~23時まで2時間間隔で試験水槽から試料を採取した。両試験でいずれもタイワムシ給餌区がSワムシ給餌区よりも50%摂餌率に達する時間が日齢3では2時間早かった。同日の仔魚1尾当たりの平均摂...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inSuisan Zoshoku Vol. 51; no. 1; pp. 101 - 108
Main Authors 黒川, 優子, 高井良, 幸, 福本, 麻衣子, 川合, 真一郎, 與世田, 兼三, 浅見, 公雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本水産増殖学会 01.03.2003
Online AccessGet full text
ISSN0371-4217
2185-0194
DOI10.11233/aquaculturesci1953.51.101

Cover

More Information
Summary:Sワムシ (平均背甲長169μm) とタイワムシ (145μm) がスジアラ仔魚の初期摂餌と初期生残に及ぼす影響について検討した。2回の試験で合計5事例の飼育を60klコンクリート水槽で行った。開口前の日齢2~5まで各試験水槽へ2タイプのワムシを15個体/mlの基準で与えた。2回目試験ではタイワムシ給餌区のネガティブコントロール区を設け, 24時間の暗条件とした。日齢3~4の摂餌率と胃内容物を調べるために, 5~23時まで2時間間隔で試験水槽から試料を採取した。両試験でいずれもタイワムシ給餌区がSワムシ給餌区よりも50%摂餌率に達する時間が日齢3では2時間早かった。同日の仔魚1尾当たりの平均摂餌数は前者が後者よりも有意に高く, 一方, ネガティブコントロール区では摂餌率と摂餌数が最も劣った。摂餌開始期には3試験区でトリプシン活性が明らかに認められた。スジアラ仔魚の初期摂餌率と初期生残率の向上には日齢3~4にタイワムシを給餌することが有効である。
Bibliography:670798
ZZ00008678
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci1953.51.101