鳴門地先におけるアマモ場と底質および波浪との関係

海草アマモは、北半球に広く分布し、その群落を中心とした生物群集が、アマモ場として知られている。従来、アマモ場など、海草藻場の造成技術は、適地を選定し、播種や草体の移植を中心に開発が進められてきた。しかし、近年、藻場造成に関する技術は、目的によって(1)コンブ類など市場価値の高い大型藻類を増殖する技術、(2)藻体を餌料とする市場価値の高い貝・ウニ類の増殖を期待して、アラメ・カジメ類などに、ある程度の管理を施す技術、(3)アマモやホンダワラ類などを生育させ、長時間かけても沿岸域の環境保全を実現し、魚類など水産資源を増殖させるため、施工後の管理をなるべくしない技術に大別される。徳島県鳴門市の播磨灘沿...

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Published in日本水産工学会誌 Vol. 34; no. 3; pp. 299 - 304
Main Authors 三橋, 公夫, 團, 昭紀, 寺脇, 利信, 森口, 朗彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本水産工学会 1998
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ISSN0916-7617
2189-7131
DOI10.18903/fisheng.34.3_299

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Summary:海草アマモは、北半球に広く分布し、その群落を中心とした生物群集が、アマモ場として知られている。従来、アマモ場など、海草藻場の造成技術は、適地を選定し、播種や草体の移植を中心に開発が進められてきた。しかし、近年、藻場造成に関する技術は、目的によって(1)コンブ類など市場価値の高い大型藻類を増殖する技術、(2)藻体を餌料とする市場価値の高い貝・ウニ類の増殖を期待して、アラメ・カジメ類などに、ある程度の管理を施す技術、(3)アマモやホンダワラ類などを生育させ、長時間かけても沿岸域の環境保全を実現し、魚類など水産資源を増殖させるため、施工後の管理をなるべくしない技術に大別される。徳島県鳴門市の播磨灘沿岸海域は、瀬戸内海での急激な藻場の衰退が報じられる以前から、藻場が少なかった。そこで、筆者らは、鳴門市北灘町櫛木地先において、アマモ場造成とホンダワラ類、更にはカジメ類などを含む複合的な藻場を形成させ、魚類や貝・ウニ類の水産資源の増殖を促すための事前調査研究を行った。
Bibliography:660764
ZZ00011795
ISSN:0916-7617
2189-7131
DOI:10.18903/fisheng.34.3_299