農村女性起業研究の動向と展望

本稿は,我が国の農村女性起業研究の動向をレビューによって明らかにし,今後の農村女性起業研究の方向を展望したものである.まず,農村女性起業が政策として位置付けられた1990年代以降の政策動向を確認し,農村女性の位置付けと現在の農村女性起業の実態を概観した.その上で,1)農村女性起業をめぐる社会関係や組織形成原理,2)農村女性起業の特徴や効果,3)社会的企業としての農村女性起業の可能性や役割,4)農村女性起業の継承問題をめぐる研究動向について議論した.今後は,個人経営の展開,地域農業と起業活動の関係,活動内容と性別役割の固定化の可能性,若年層女性の起業への参加や新規創業等についても研究の進展が見込...

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Published inNōgyō keizai kenkyu Vol. 86; no. 1; pp. 27 - 37
Main Author 澤野, 久美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農業経済学会 01.06.2014
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ISSN0387-3234
2188-1057
DOI10.11472/nokei.86.27

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Summary:本稿は,我が国の農村女性起業研究の動向をレビューによって明らかにし,今後の農村女性起業研究の方向を展望したものである.まず,農村女性起業が政策として位置付けられた1990年代以降の政策動向を確認し,農村女性の位置付けと現在の農村女性起業の実態を概観した.その上で,1)農村女性起業をめぐる社会関係や組織形成原理,2)農村女性起業の特徴や効果,3)社会的企業としての農村女性起業の可能性や役割,4)農村女性起業の継承問題をめぐる研究動向について議論した.今後は,個人経営の展開,地域農業と起業活動の関係,活動内容と性別役割の固定化の可能性,若年層女性の起業への参加や新規創業等についても研究の進展が見込まれる.
Bibliography:872878
ZZ00015633
ISSN:0387-3234
2188-1057
DOI:10.11472/nokei.86.27