収穫から選果までの間にレモン果実が受ける衝撃解析

レモン果実を収穫してから運搬,選果ラインを通って箱詰めされるまでの間に受ける衝撃の大きさおよび回数を計測し,その発生原因についても同時に検証した.レモン果実が受ける衝撃測定は,発泡スチロール内に衝撃センサーを組み込んだ擬似レモンを作成して調査に用いた.収穫から運搬,選果場でのライン搬送を通じて最も衝撃が大きく,回数も多かったのは選果ラインであった.次が収穫時であり,トラック輸送では衝撃は少なかった.収穫時における5 G以上の衝撃は,作業者により異なり,収穫カゴへの取り入れ時の高さ,収穫カゴからコンテナへの移し替えの方法が影響していた.従って,収穫時には果実の取り入れ方法の改善や衝撃軽減対策が必...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 9; no. 1; pp. 107 - 112
Main Authors 北澤, 裕明, 赤阪, 信二, 石川, 豊, 池田, 裕朗, 路, 飛, 塩田, 俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2010
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ISSN1347-2658
1880-3571
DOI10.2503/hrj.9.107

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Summary:レモン果実を収穫してから運搬,選果ラインを通って箱詰めされるまでの間に受ける衝撃の大きさおよび回数を計測し,その発生原因についても同時に検証した.レモン果実が受ける衝撃測定は,発泡スチロール内に衝撃センサーを組み込んだ擬似レモンを作成して調査に用いた.収穫から運搬,選果場でのライン搬送を通じて最も衝撃が大きく,回数も多かったのは選果ラインであった.次が収穫時であり,トラック輸送では衝撃は少なかった.収穫時における5 G以上の衝撃は,作業者により異なり,収穫カゴへの取り入れ時の高さ,収穫カゴからコンテナへの移し替えの方法が影響していた.従って,収穫時には果実の取り入れ方法の改善や衝撃軽減対策が必要であると考えられた.選果時における衝撃は,コンテナ反転から選果台まで移動する間の段差,乾燥工程での段差,サイズ選別のための回転ドラム,光センサーに入る手前の段差,選果レーンから箱詰めラインへの落下・壁への衝突が主な衝撃発生原因であった.また,レモン果実を洗浄ブラシ上の時間が長い重量選果機で選果した場合,光センサー選果機と比較して衝撃回数が多い傾向にあった.擬似レモンを用いた落下高と衝撃の大きさは,G = 6.97H0.5416(G:衝撃加速度,H:落下高)の関係が認められた.レモン果実は果頂部が尖っており,その部分から落下した場合に特に衝撃が大きく,ウンシュウミカン用の選果ラインでレモン果実を選果する場合には何らかの衝撃軽減対策を講じる必要があると考えられた.
Bibliography:790053
ZZ20004168
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.9.107