食品用紙製器具から溶出する無機イオン

キッチンペーパー, 紙コップなど紙製の器具, 容器包装材135試料を対象として, それらの材質中の無機塩の残留実態を明らかにすることを目的として, 試料から溶出するCl-, NO2-, PO43-, Br-, NO3-及びSO42-の各陰イオン並びにNa+, K+, NH4+の各陽イオンについて, イオンクロマトグラフを用いて測定した. 溶出する陰イオンはCl-及びSO42-が主体で, この両者はほとんどの試料から検出され平均検出量はそれぞれ7.85ppm, 9.33ppmであった. その他の陰イオンは検出試料数, 検出量ともに少なかった. 陽イオンのNa+, K+及びNH4+は陰イオンとほぼ...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 32; no. 3; pp. 142 - 148_1
Main Authors 石綿, 肇, 福田, 正則, 佐々木, 清司, 杉田, たき子, 馬場, 二夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 01.06.1991
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.32.142

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Summary:キッチンペーパー, 紙コップなど紙製の器具, 容器包装材135試料を対象として, それらの材質中の無機塩の残留実態を明らかにすることを目的として, 試料から溶出するCl-, NO2-, PO43-, Br-, NO3-及びSO42-の各陰イオン並びにNa+, K+, NH4+の各陽イオンについて, イオンクロマトグラフを用いて測定した. 溶出する陰イオンはCl-及びSO42-が主体で, この両者はほとんどの試料から検出され平均検出量はそれぞれ7.85ppm, 9.33ppmであった. その他の陰イオンは検出試料数, 検出量ともに少なかった. 陽イオンのNa+, K+及びNH4+は陰イオンとほぼ対応する量が検出された. キッチンペーパー, コーヒーフィルターなど新パルプ製品は全般にいずれのイオンも検出量が少ないのに対し, 菓子箱, 段ボールなど再生パルプ製品は相対的に検出量が多く, かつ浸出液のpHがアルカリ性のものが多かった.
Bibliography:472813
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.32.142