腹水貯留を呈し心室中隔欠損症と第三度房室ブロックを併発したフェレットの1例

腹水貯留を呈し,心室中隔欠損症に第三度房室ブロックを併発した8歳,雌のフェレットに遭遇した。心室中隔欠損症は,双方向性短絡を呈しており,すでに肺高血圧症を併発していると考えられた。そのため,強心と利尿および肺血管拡張療法を実施した。その結果,僅かな右心室圧負荷所見の軽減を認めたが,腹水貯留に改善は見られなかった。そこで,第三度房室ブロックに対する治療として,シロスタゾールを追加したところ,心室レートが上昇し,腹水貯留の改善が見られた。本症例のうっ血性心不全には,肺血管拡張による右心室圧負荷の軽減と同時に,心拍数増大による心拍出量の維持が重要であると考えられた。...

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Published inDōbutsu no junkanki Vol. 51; no. 1; pp. 25 - 33
Main Authors 才田, 祐人, 福島, 隆治, 北野, 寿, 才田, 乃路子, 矢田, 新平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本獣医循環器学会 20.08.2018
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ISSN0910-6537
1883-5260
DOI10.11276/jsvc.51.25

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Summary:腹水貯留を呈し,心室中隔欠損症に第三度房室ブロックを併発した8歳,雌のフェレットに遭遇した。心室中隔欠損症は,双方向性短絡を呈しており,すでに肺高血圧症を併発していると考えられた。そのため,強心と利尿および肺血管拡張療法を実施した。その結果,僅かな右心室圧負荷所見の軽減を認めたが,腹水貯留に改善は見られなかった。そこで,第三度房室ブロックに対する治療として,シロスタゾールを追加したところ,心室レートが上昇し,腹水貯留の改善が見られた。本症例のうっ血性心不全には,肺血管拡張による右心室圧負荷の軽減と同時に,心拍数増大による心拍出量の維持が重要であると考えられた。
Bibliography:922530
ZZ00011639
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc.51.25