ウンシュウミカンの着色に及ぼす温度と果実の糖集積の影響
秋季の温度条件を種々に変え, ウンシュウミカン果実への糖集積と着色に及ぼす影響を調査するとともに,果皮の糖含量およびその組成と着色との関わりについて検討を加えた. 1.果皮への糖集積は果汁におけるより遅れて始まり, 9月下旬より急速にその含量が増加した. 果皮,果汁ともにスクロース, グルコースおよびフルクトースを主たる糖として含有していたが, 果汁では9月以降スクロースの急速な増加が, また果皮では9月下旬以降還元糖の急激な増加がみられた. 2.秋季の短期間 (約2週間) の温度処理によって,果皮, 果汁のいずれも高温区では糖の増加が抑制され,逆に低温区ではその増加が著しかった. 果汁の糖組...
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| Published in | Engei Gakkai zasshi Vol. 62; no. 4; pp. 725 - 731 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 園芸学会
1994
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0013-7626 1880-358X |
| DOI | 10.2503/jjshs.62.725 |
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| Summary: | 秋季の温度条件を種々に変え, ウンシュウミカン果実への糖集積と着色に及ぼす影響を調査するとともに,果皮の糖含量およびその組成と着色との関わりについて検討を加えた. 1.果皮への糖集積は果汁におけるより遅れて始まり, 9月下旬より急速にその含量が増加した. 果皮,果汁ともにスクロース, グルコースおよびフルクトースを主たる糖として含有していたが, 果汁では9月以降スクロースの急速な増加が, また果皮では9月下旬以降還元糖の急激な増加がみられた. 2.秋季の短期間 (約2週間) の温度処理によって,果皮, 果汁のいずれも高温区では糖の増加が抑制され,逆に低温区ではその増加が著しかった. 果汁の糖組成についてみると, 低温区では非還元糖のスクロースが主体であり, 果皮では低温区において還元糖の比率が増加した. 高温区では処理期間中ほとんど着色は進行せず, その間の果皮の糖含量は搬入時よりも減少するかあるいはわずかな増加をするに止まった. 3.着色と培地の糖組成の関係を果皮片の培養によって検討したところ, 同じ糖含量, 浸透ポテンシャルであっても, 還元糖の比率が高い培地ほど果皮片の脱緑, 着色が促進された. |
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| Bibliography: | 501039 ZZ00015006 |
| ISSN: | 0013-7626 1880-358X |
| DOI: | 10.2503/jjshs.62.725 |