伊勢湾内奥部と当該海域へ流入する都市河川水中の揮発性有機化合物の特徴

伊勢湾内奥部と当該海域に注ぐ河川で1996年5月から1999年2月まで揮発性有機化合物(VOCs)19成分を調査した。海域では,クロロホルム,プロモホルム,P-ジクロロベンゼン,ジクロロメタンの濃度が高く,河川では,1 ,1,1一トリクロロエタン,クロロホルム,ジクロロメタン,cis-1,2-ジクロロエチレン,0-キシレン,トルエン,トリクロロエチレン,P-ジクロロベンゼンの濃度が高かった。クロロホルムは両水域全体に渡って高い濃度で検出され,海域ではプロモホルムも広く検出された。多くのVOCs成分は河川,海域ともに冬に濃度が高くなる傾向が認められたが,濃度ではなく流下量でみると,生活排水や産業...

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Published in環境科学会誌 Vol. 14; no. 6; pp. 609 - 618
Main Author 石川, 創
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2001
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ISSN0915-0048
1884-5029
DOI10.11353/sesj1988.14.609

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Summary:伊勢湾内奥部と当該海域に注ぐ河川で1996年5月から1999年2月まで揮発性有機化合物(VOCs)19成分を調査した。海域では,クロロホルム,プロモホルム,P-ジクロロベンゼン,ジクロロメタンの濃度が高く,河川では,1 ,1,1一トリクロロエタン,クロロホルム,ジクロロメタン,cis-1,2-ジクロロエチレン,0-キシレン,トルエン,トリクロロエチレン,P-ジクロロベンゼンの濃度が高かった。クロロホルムは両水域全体に渡って高い濃度で検出され,海域ではプロモホルムも広く検出された。多くのVOCs成分は河川,海域ともに冬に濃度が高くなる傾向が認められたが,濃度ではなく流下量でみると,生活排水や産業排水の流入が多い都市河川では夏に流下量が多くなることがわかった。多くの塩素系成分が相互および水質汚濁項目(BOD,COD,SS,T-N)との間で相関が認められたが,1,2-ジクロロエタンとプロモホルムには他の塩素系成分や水質汚濁項目との相関が認められなかった。VOCsの検出濃度と頻度の季節変化からそれらの由来が推定された。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj1988.14.609