'イエロー紅心'キウイフルーツ果実の樹上軟化に伴う細胞壁多糖類の経時変化

キウイフルーツ'イエロー紅心(仮称)'果実が樹上で軟化するメカニズムを明らかにするため, 果実硬度の低下とエチレン生成, 細胞壁構成糖の変化, 細胞壁分解酵素活性の変化との関連を検討した.1. 樹上での果実の軟化はエチレン生成の増大を伴っていなかった.2. 樹上での果実硬度の低下は, WIFの細胞壁画分のガラクツロン酸含有量の低下と一致し, 同画分の中性糖含有量の変化とは対応関係が認められなかった.3. エチレン処理により, WIFのラムノース, アラビノース, ガラクトースの消失が促進され, ガラクツロン酸はエチレン処理の有無にかかわらず消失が進んだ.以上のことから, 樹...

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Published inEngei Gakkai zasshi Vol. 67; no. 1; pp. 59 - 65
Main Authors 真壁, 敏明, 吉岡, 博人, 三木, 晃, 福元, 將志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 01.01.1998
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ISSN0013-7626
1880-358X
DOI10.2503/jjshs.67.59

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Summary:キウイフルーツ'イエロー紅心(仮称)'果実が樹上で軟化するメカニズムを明らかにするため, 果実硬度の低下とエチレン生成, 細胞壁構成糖の変化, 細胞壁分解酵素活性の変化との関連を検討した.1. 樹上での果実の軟化はエチレン生成の増大を伴っていなかった.2. 樹上での果実硬度の低下は, WIFの細胞壁画分のガラクツロン酸含有量の低下と一致し, 同画分の中性糖含有量の変化とは対応関係が認められなかった.3. エチレン処理により, WIFのラムノース, アラビノース, ガラクトースの消失が促進され, ガラクツロン酸はエチレン処理の有無にかかわらず消失が進んだ.以上のことから, 樹上果実の軟化はエチレンに感受しないで進行するものと思われ, ホモガラクツロナンの分解が関与している可能性が示唆された.また, エチレンに感受して進行する果実の軟化は, ホモガラクツロナンの分解とラムノガラクツロナンの分解の両方が関与している可能性が示唆された.
Bibliography:570671
ZZ00015006
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.67.59