各種環境保全型農業の取り組みに関する生産者の特性分析と類型化

地球温暖化対策や生物多様性保全などの環境保全型農業に関する研究成果の普及にあたっては,生産者の類型化によって潜在的ユーザーとなりうる層を絞り込み,その特性に合った普及活動をしていくことが重要である.本研究では,生産者に対する環境保全型農業の取り組みやそれに関する特性についてのアンケート調査を行い,因子分析やクラスター分析を用いて生産者を5 つのクラスターへ類型化した.クラスター毎に環境保全型農業の取り組み割合は大きく異なっており,類型化がユーザー層の絞り込みに効果的であることが示された.具体的には,日常生活での環境意識が高い農家,もしくは情報技術の活用度が高い大規模農家のクラスターで環境保全型...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNōken Kikō kenkyū hōkoku Vol. 2021; no. 6; pp. 43 - 52
Main Author 永井, 孝志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 30.03.2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2434-9895
2434-9909
DOI10.34503/naroj.2021.6_43

Cover

More Information
Summary:地球温暖化対策や生物多様性保全などの環境保全型農業に関する研究成果の普及にあたっては,生産者の類型化によって潜在的ユーザーとなりうる層を絞り込み,その特性に合った普及活動をしていくことが重要である.本研究では,生産者に対する環境保全型農業の取り組みやそれに関する特性についてのアンケート調査を行い,因子分析やクラスター分析を用いて生産者を5 つのクラスターへ類型化した.クラスター毎に環境保全型農業の取り組み割合は大きく異なっており,類型化がユーザー層の絞り込みに効果的であることが示された.具体的には,日常生活での環境意識が高い農家,もしくは情報技術の活用度が高い大規模農家のクラスターで環境保全型農業の取り組み割合が高かった.また,地球温暖化対策と生物多様性保全の取り組み割合が最も高いクラスターがそれぞれ分かれるなど,環境保全型農業の内容によってターゲットが変わりうることも示唆された.さらに,環境保全型農業の取り組み割合が高い集団の情報源として,インターネット(クチコミではなく公的機関のサイト),書籍,セミナー・講演会があり,これらのチャネルを通じた普及活動が有効であることも示唆された.
Bibliography:937758
ZZ20574380
ISSN:2434-9895
2434-9909
DOI:10.34503/naroj.2021.6_43