メロン種子の液体振とう培養による不定胚誘導

メロンの完熟種子からの不定胚誘導では,静置培養によるカルス形成,カルスのホルモンフリー培地での静置あるいは液体振とう培養が行われてきた.本実験では不定胚誘導の全ての培養を液体振とう培養で行い,効率的に不定胚を形成させる条件について検討した.ホルモン添加培地での培養機関が不定胚形成に及ぼす影響を調べるため,完熟種子切片を2,4-D1mg/l,NAA1mg/l,BA 0.1mg/l,ショ糖30g/lを含むMS培地で0~14日振とう培養後,培養細胞塊をホルモンフリーのMS培地に移植して振とう培養した.その結果,ホルモンを含む培地での培養期間は,形成される不定胚の形態および不定胚数に影響を及ぼした.不...

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Published inIkushugaku zasshi Vol. 41; no. 2; pp. 273 - 278
Main Authors 矢部, 和則, 宮島, 成寿, 景山, 幸二
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本育種学会 01.06.1991
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ISSN0536-3683
2185-291X
DOI10.1270/jsbbs1951.41.273

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Summary:メロンの完熟種子からの不定胚誘導では,静置培養によるカルス形成,カルスのホルモンフリー培地での静置あるいは液体振とう培養が行われてきた.本実験では不定胚誘導の全ての培養を液体振とう培養で行い,効率的に不定胚を形成させる条件について検討した.ホルモン添加培地での培養機関が不定胚形成に及ぼす影響を調べるため,完熟種子切片を2,4-D1mg/l,NAA1mg/l,BA 0.1mg/l,ショ糖30g/lを含むMS培地で0~14日振とう培養後,培養細胞塊をホルモンフリーのMS培地に移植して振とう培養した.その結果,ホルモンを含む培地での培養期間は,形成される不定胚の形態および不定胚数に影響を及ぼした.不定胚は,細長い胚軸および2枚の子葉をもつもの(正常胚)と太短い胚軸および3枚以上の子葉をもつもの(異常胚)に分けられ,正常胚は培養期間7日で最も多く形成されたが,その占める割合は5日以前の培養期間のもので高かった(Table 1,Fig.1).
Bibliography:ZZ00018552
470367
ISSN:0536-3683
2185-291X
DOI:10.1270/jsbbs1951.41.273