馬の腱の損傷程度を反映する血清中I型コラーゲン架橋N-末端テロペプチド濃度

骨の代謝マーカーの一つである1型コラーゲン架橋N-末端テロペプチド濃度 (NTx) が馬の腱損傷後の治癒過程をモニタリングするマーカーとして有用であるかを検討した.血清中NTx濃度は腱損傷のない正常群と比較して, 腱炎の急性期および亜急性期群で有意に高い値を示した.しかし, 慢性期群と正常群間とのNTx値には有意差が認められなかった.腱炎による腱のI型コラーゲンの分解は亜急性期までで, 慢性期以降では腱組織の再構築が開始されることから, 血清中NTx濃度は腱炎によるコラーゲン分解を鋭敏に反映していると考えられた....

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 58; no. 3; pp. 175 - 179
Main Authors 竹花, 一成, 樋口, 豪紀, 永田, 廣, 上村, 智希, 植田, 弘美, 三角, 一浩, 翁長, 武紀, 保坂, 善真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 2005
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma1951.58.175

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Summary:骨の代謝マーカーの一つである1型コラーゲン架橋N-末端テロペプチド濃度 (NTx) が馬の腱損傷後の治癒過程をモニタリングするマーカーとして有用であるかを検討した.血清中NTx濃度は腱損傷のない正常群と比較して, 腱炎の急性期および亜急性期群で有意に高い値を示した.しかし, 慢性期群と正常群間とのNTx値には有意差が認められなかった.腱炎による腱のI型コラーゲンの分解は亜急性期までで, 慢性期以降では腱組織の再構築が開始されることから, 血清中NTx濃度は腱炎によるコラーゲン分解を鋭敏に反映していると考えられた.
Bibliography:720841
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.58.175