熱帯における白菜の縁腐れと心腐れの対策について

熱帯における白菜栽培上の最も困難な問題点はTipburnとInternalrotである.AVRDCの土壌研究室では1983年以来, この問題に取組み, これらが発生する原因とそのメカニズムを明らかにし, その対策法を検討した. Tipburnはアンモニア障害, 根系の発達不良, 地上部生育速度の異常増大などにより引き起こされ, 白菜の結球初期に最もかかりやすいことが明らかになった.よってアンモニア障害を回避し, 根系の発達を促がす次の対策は全てtipburnを減少させるのに有効であった.すなわちNの分施, 結球初期の非アンモニア態N肥料による追肥, 有機物等施用による土壌CECと水分保持力の増...

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Published inNettai nōgyō Vol. 32; no. 1; pp. 22 - 34
Main Authors 呉, 登淋, 今井, 秀夫, 馬, 清華
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本熱帯農業学会 01.03.1988
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ISSN0021-5260
2185-0259
DOI10.11248/jsta1957.32.22

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Summary:熱帯における白菜栽培上の最も困難な問題点はTipburnとInternalrotである.AVRDCの土壌研究室では1983年以来, この問題に取組み, これらが発生する原因とそのメカニズムを明らかにし, その対策法を検討した. Tipburnはアンモニア障害, 根系の発達不良, 地上部生育速度の異常増大などにより引き起こされ, 白菜の結球初期に最もかかりやすいことが明らかになった.よってアンモニア障害を回避し, 根系の発達を促がす次の対策は全てtipburnを減少させるのに有効であった.すなわちNの分施, 結球初期の非アンモニア態N肥料による追肥, 有機物等施用による土壌CECと水分保持力の増大, 水管理とマルチ等による土壌水分変動の減少などである. 一方, Internal rotの主たる原因は結球葉へのCa移動の制限, 高温高日照多湿による生育速度の異常増大, 球形Head内で生じる力学的障害などが考られた.対策としては生育初期のCa塩葉面散布によるHead Typeの変換, Nの分施や外葉被覆による生育速度の減少長型Head品種の利用, 適切な水管理による根の活性化等が有効であった.
Bibliography:400601
ZZ00014546
ISSN:0021-5260
2185-0259
DOI:10.11248/jsta1957.32.22