森林・林業教育を行う高等学校の現状 2014年林野庁の全国調査をもとにした分析
森林・林業分野では,人材育成の視点から専門教育へ関心が高まっている。高校の森林・林業教育の現状について,「専門高校における森林・林業教育に関するアンケート調査」(林野庁研究指導課,2014年)をもとに,学科の状況,生徒数,教員数,演習林や施設,教育内容,進路を分析した。アンケートは,森林・林業関連学科・科目設置校を対象に郵送法で実施した。その結果,森林・林業関連(72校)の生徒数は4,987人(高校生総数の0.15%),男女比は8:2で,担当教員267人のうち森林・林業の大学等卒業者は約4割しか居なかった。演習林は70校が保有し,64校が活用していた。科目は,「森林科学」と「林産物利用」を9割...
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Published in | Nihon Shinrin Gakkaishi Vol. 98; no. 6; pp. 255 - 264 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本森林学会
01.12.2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-8509 1882-398X |
DOI | 10.4005/jjfs.98.255 |
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Summary: | 森林・林業分野では,人材育成の視点から専門教育へ関心が高まっている。高校の森林・林業教育の現状について,「専門高校における森林・林業教育に関するアンケート調査」(林野庁研究指導課,2014年)をもとに,学科の状況,生徒数,教員数,演習林や施設,教育内容,進路を分析した。アンケートは,森林・林業関連学科・科目設置校を対象に郵送法で実施した。その結果,森林・林業関連(72校)の生徒数は4,987人(高校生総数の0.15%),男女比は8:2で,担当教員267人のうち森林・林業の大学等卒業者は約4割しか居なかった。演習林は70校が保有し,64校が活用していた。科目は,「森林科学」と「林産物利用」を9割,「森林経営」を6割の学校が設定していた。これら3科目ともに半分以上の項目を教えているのは42校(6割)で,13校(2割)は1科目以下であり,多様化していた。卒業生の進路は,森林・林業系に15% が進み(就職者195人,進学者75人,2011~2013年平均),9割の学校から森林・林業分野へ人材を輩出していた。今後の課題は,教育目的にあった教育内容の検討,大学や大学校との連携,教員研修が挙げられた。 |
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Bibliography: | ZZ20018854 910284 |
ISSN: | 1349-8509 1882-398X |
DOI: | 10.4005/jjfs.98.255 |