簡単化したモデルによる食品プロセスの解析に関する研究-乾燥とクロマトグラフィー

複雑な食品プロセスをメカニスティックモデルにより厳密に解析しても,実用的には適用することは難しいが,それらの解析から導かれる簡単化したモデルは,ロセスの理解・開発・設計のみならず運転にも有用である.また,安定した製品の製造や製造時のトラブル解決にも役立つ.ここでは液状食品乾燥とタンパク質や食品成分のクロマトグラフィーという2つの拡散支配のプロセスについて簡単化したモデルによる解析を紹介している.液状食品乾燥における水分濃度に依存した拡散係数の等温乾燥速度からの決定方法について説明している.次にモデルから得られる無次元数などに基づき,乾燥挙動および乾燥時の酵素失活に影響を与える因子について考察し...

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Published inJapan Journal of Food Engineering Vol. 20; no. 3; pp. 81 - 97
Main Author 山本, 修一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食品工学会 15.09.2019
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ISSN1345-7942
1884-5924
DOI10.11301/jsfe.19557C

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Summary:複雑な食品プロセスをメカニスティックモデルにより厳密に解析しても,実用的には適用することは難しいが,それらの解析から導かれる簡単化したモデルは,ロセスの理解・開発・設計のみならず運転にも有用である.また,安定した製品の製造や製造時のトラブル解決にも役立つ.ここでは液状食品乾燥とタンパク質や食品成分のクロマトグラフィーという2つの拡散支配のプロセスについて簡単化したモデルによる解析を紹介している.液状食品乾燥における水分濃度に依存した拡散係数の等温乾燥速度からの決定方法について説明している.次にモデルから得られる無次元数などに基づき,乾燥挙動および乾燥時の酵素失活に影響を与える因子について考察している.クロマトグラフィープロセスについては,直線勾配溶出(LGE)法のHETPの決定方法について解説し,LGEの分離特性を相関できる有用な無次元数(Ym)について説明している.次に,有用な概念である等分離度曲線と,その生産性推算への適用を紹介している.また,大量に目的物質を吸着分離するキャプチャークロマトグラフィーにおける動的吸着量を推算するのに便利な無次元数を導き,実験値と比較し議論している.
Bibliography:ZZ20014033
930195
ISSN:1345-7942
1884-5924
DOI:10.11301/jsfe.19557C