フキ(Petasites japonicus)のクロロゲン酸酸化酵素の精製と性質
フキのポリフェノール酸化酵素をアセトン沈殿,イオン交換クロマトグラフィー,疎水クロマトグラフィーおよびゲル濾過により精製した。これらの操作により,本酵素はアセトン分画後の粗酵素液の約115倍に精製され,回収率は11.3%であった。本酵素はPAGEおよびSDS-PAGE上で単一のバンドを示し,電気泳動的に均一であった。精製酵素の分子量はゲル濾過およびSDS-PAGEによりそれぞれ26,000および25,000と推定された。本酵素はクロロゲン酸および(-)-エピカテキンを強く酸化し,クロロゲン酸(pH 4.0,30℃で測定)および(-)-エピカテキン(pH 8.0,30℃で測定)の酸化反応時のミカ...
Saved in:
Published in | Food preservation science Vol. 35; no. 4; pp. 179 - 186 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本食品保蔵科学会
2009
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1344-1213 2186-1277 |
DOI | 10.5891/jafps.35.179 |
Cover
Summary: | フキのポリフェノール酸化酵素をアセトン沈殿,イオン交換クロマトグラフィー,疎水クロマトグラフィーおよびゲル濾過により精製した。これらの操作により,本酵素はアセトン分画後の粗酵素液の約115倍に精製され,回収率は11.3%であった。本酵素はPAGEおよびSDS-PAGE上で単一のバンドを示し,電気泳動的に均一であった。精製酵素の分子量はゲル濾過およびSDS-PAGEによりそれぞれ26,000および25,000と推定された。本酵素はクロロゲン酸および(-)-エピカテキンを強く酸化し,クロロゲン酸(pH 4.0,30℃で測定)および(-)-エピカテキン(pH 8.0,30℃で測定)の酸化反応時のミカエリス定数はそれぞれ,0.14 mMおよび0.7 mMであった。本酵素のクロロゲン酸酸化活性(ChO)および(-)-エピカテキン酸化活性(EpO)の最適pHはそれぞれ,4.0および8.0であった。ChO,EpOの両活性ともpH4~9の範囲で,4℃,22時間安定であった。両活性とも最適温度は30℃であり,60℃で10分間の加熱処理に対して安定であった。両活性とも5 mMのL-アスコルビン酸およびL-システインにより強く阻害された。 |
---|---|
Bibliography: | ZZ00016464 780484 |
ISSN: | 1344-1213 2186-1277 |
DOI: | 10.5891/jafps.35.179 |