魚醤より分離したプロテアーゼ生産耐塩性Bacillusについて

本研究では魚醤よりBacillus属細菌を分離し,その性質を決定し,魚醤発酵過程中における本菌の役割を明らかにすることを目的とした。インドネシア産5種およびベトナム産6種の魚醤を試料とした。これらの試料から耐塩性でプロテアーゼ生産性のBacillusを分離した。すべての試料にこれらの菌が存在し,その多くが25%の食塩濃度で生育し,プロテアーゼを生産した。また,低塩濃度(1%)でも生育が認められた。そのため,これら分離株は耐塩性菌と考えられた。16 S rDNAに基づく系統解析の結果,ほとんどの分離菌株はVirgibacillus halodenitrificansであった。本結果より,魚醤の魚...

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Published inFood preservation science Vol. 35; no. 6; pp. 291 - 299
Main Authors プスピタ, リスディヤンティ, 石川, 孝明, 野口, 治子, 内野, 昌孝, 髙野, 克己, 片山, 佳子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本食品保蔵科学会 2009
Subjects
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ISSN1344-1213
2186-1277
DOI10.5891/jafps.35.291

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Summary:本研究では魚醤よりBacillus属細菌を分離し,その性質を決定し,魚醤発酵過程中における本菌の役割を明らかにすることを目的とした。インドネシア産5種およびベトナム産6種の魚醤を試料とした。これらの試料から耐塩性でプロテアーゼ生産性のBacillusを分離した。すべての試料にこれらの菌が存在し,その多くが25%の食塩濃度で生育し,プロテアーゼを生産した。また,低塩濃度(1%)でも生育が認められた。そのため,これら分離株は耐塩性菌と考えられた。16 S rDNAに基づく系統解析の結果,ほとんどの分離菌株はVirgibacillus halodenitrificansであった。本結果より,魚醤の魚醤発酵過程では魚消化管プロテアーゼだけでなく,本菌種や類縁菌の同酵素が関与していることが明らかとなった。
Bibliography:782579
ZZ00016464
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.35.291