36カ月齢ホルスタイン種乳用雌牛の第一胃鼓脹症を伴う多発性類表皮囊胞

長野県の一酪農場で,36カ月齢のホルスタイン種乳用雌牛1頭が分娩7日後に食欲廃絶,第四胃変位及び第一胃鼓脹症を呈し死亡した.剖検では,第一胃粘膜の広範な剝離と粘膜剝離面の小結節形成を多数認めた.組織学的には,第一胃粘膜下組織に多数の囊胞を認めた.囊胞の周囲に血管新生を特徴とする慢性炎症を認めた.囊胞は扁平上皮によって裏打ちされ,同心円状に配置された積層状のケラチンで満たされていた.さらに,肝臓及び腎臓にはび漫性細胞変性及び壊死を認めた.このことから,本症例を成牛の第一胃鼓脹症を伴う多発性類表皮囊胞と診断した....

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 74; no. 9; pp. 558 - 562
Main Authors 土合, 理美, 森田, 裕貴, 徳武, 慎哉, 川島, 大樹, 芝原, 友幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.09.2021
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.74.558

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Summary:長野県の一酪農場で,36カ月齢のホルスタイン種乳用雌牛1頭が分娩7日後に食欲廃絶,第四胃変位及び第一胃鼓脹症を呈し死亡した.剖検では,第一胃粘膜の広範な剝離と粘膜剝離面の小結節形成を多数認めた.組織学的には,第一胃粘膜下組織に多数の囊胞を認めた.囊胞の周囲に血管新生を特徴とする慢性炎症を認めた.囊胞は扁平上皮によって裏打ちされ,同心円状に配置された積層状のケラチンで満たされていた.さらに,肝臓及び腎臓にはび漫性細胞変性及び壊死を認めた.このことから,本症例を成牛の第一胃鼓脹症を伴う多発性類表皮囊胞と診断した.
Bibliography:ZZ00014801
940052
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.74.558