クッキー調製における原材料配合条件の相違による加熱反応生成物について

クッキー焙焼中における加熱生成物の変化についてクッキーの原材料の面から検討した. (1) 紫外部吸収の測定では,クッキーを焙焼すると加熱時間の増加にともなって波長281-295nm付近の吸収が高くなり,この変化はクッキー原材料の一つである糖の影響を強く受けていることが分かった. (2) 最も変化の顕著であった波長283nmを検出波長として,焙焼したクッキーからの加熱生成物についてHPLCで検討すると1-10のピークが得られた.特にピーク3, 5, 6のピークが顕著であった.また,ピーク6は標品のHMF保持時間とが一致し, HMFであると推定された. (3) ピーク5はクッキーの加熱初期段階に生...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 35; no. 4; pp. 235 - 241
Main Authors 川岸, 舜朗, 西堀, すき江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 01.04.1988
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ISSN0029-0394
DOI10.3136/nskkk1962.35.4_235

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Summary:クッキー焙焼中における加熱生成物の変化についてクッキーの原材料の面から検討した. (1) 紫外部吸収の測定では,クッキーを焙焼すると加熱時間の増加にともなって波長281-295nm付近の吸収が高くなり,この変化はクッキー原材料の一つである糖の影響を強く受けていることが分かった. (2) 最も変化の顕著であった波長283nmを検出波長として,焙焼したクッキーからの加熱生成物についてHPLCで検討すると1-10のピークが得られた.特にピーク3, 5, 6のピークが顕著であった.また,ピーク6は標品のHMF保持時間とが一致し, HMFであると推定された. (3) ピーク5はクッキーの加熱初期段階に生成され, 20分後までは一定増加するがその後増加が緩慢になった.ピーク6は最初の生成量は少ないが, 30分を過ぎると急激に増加した. (4) ピーク6は糖に由来する加熱生成物であることが分かった.また,ピーク5は糖に卵白を添加したときに増加する生成物であることが認あられた.
Bibliography:ZZ20000202
371798
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.35.4_235