γ-ポリグルタミン酸分解活性を有する麹菌のスクリーニング
納豆粘質物(γ-PDLGA)を分解し,うま味を呈するグルタミン酸(Glu)を生産する酵素を見いだすため,麹菌株のスクリーニングを行った. (1) 種麹26種より85株の肉眼的にことなる麹菌を分離し, γ-PLGAを強力に分解する Aspergillus oryzae N-2株を見いだした. (2) A. oryzae N-2株をふすま固体培地で3日間培養し,粗酵素を抽出した.硫安分画(60~95)後,水道水で透析して,比活性が約3倍に上昇した部分精製酵素(PGAase)を得た. (3) 本酵素のPLGAに対する作用至適温度は40℃,至適pHは4.5~5.0であった. (4) 本酵素はγ-PLG...
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Published in | Nippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 35; no. 5; pp. 302 - 308 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本食品科学工学会
01.05.1988
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ISSN | 0029-0394 |
DOI | 10.3136/nskkk1962.35.302 |
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Summary: | 納豆粘質物(γ-PDLGA)を分解し,うま味を呈するグルタミン酸(Glu)を生産する酵素を見いだすため,麹菌株のスクリーニングを行った. (1) 種麹26種より85株の肉眼的にことなる麹菌を分離し, γ-PLGAを強力に分解する Aspergillus oryzae N-2株を見いだした. (2) A. oryzae N-2株をふすま固体培地で3日間培養し,粗酵素を抽出した.硫安分画(60~95)後,水道水で透析して,比活性が約3倍に上昇した部分精製酵素(PGAase)を得た. (3) 本酵素のPLGAに対する作用至適温度は40℃,至適pHは4.5~5.0であった. (4) 本酵素はγ-PLGAを良好に分解するが,γ-PDLGAは部分的に分解するのみで,γ-PDGAはまったく分解しなかった. (5) 本酵素によるγ-PLGAの分解生成物をペーパークロマトグラフィーで検索したところ, Gluのみ遊離されており,反応形式はexo型の酵素(γ-PLGAase)であることが明らかになった. |
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Bibliography: | ZZ20000202 372273 |
ISSN: | 0029-0394 |
DOI: | 10.3136/nskkk1962.35.302 |