国内産小麦の製パン適性について

内麦粉4種と外麦粉2種を用いて,製パン製に関する比較実験をした. (1) 内麦粉,外麦粉より澱粉を分別し,その性質を比較すると,一般成分に顕著な差はない.しかし,内麦澱粉は膨潤度,溶解度共に非常に高い. (2) AACC法による,内麦粉,外麦粉生地について発酵実験の結果,イーストを多くすればCO2の発生量は多くなるが,生地の膨張率は内麦粉においては120分位で最大を示し,その後は減少した. (3) 直捏法と生地発酵省略法で製パンし,比容積を比較した結果,生地発酵省略法が良好であった.またショートニングを多くすることにより,グルテン,澱粉,ショートニングの相互作用が改善されて,ガスの放出が防止さ...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 33; no. 2; pp. 102 - 107
Main Authors 五島, 義昭, 柘植, 治人, 大橋, 一二, 磯崎, 洋彦, 渡辺, 義久, 新宮, 穂高
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 01.02.1986
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ISSN0029-0394
DOI10.3136/nskkk1962.33.2_102

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Summary:内麦粉4種と外麦粉2種を用いて,製パン製に関する比較実験をした. (1) 内麦粉,外麦粉より澱粉を分別し,その性質を比較すると,一般成分に顕著な差はない.しかし,内麦澱粉は膨潤度,溶解度共に非常に高い. (2) AACC法による,内麦粉,外麦粉生地について発酵実験の結果,イーストを多くすればCO2の発生量は多くなるが,生地の膨張率は内麦粉においては120分位で最大を示し,その後は減少した. (3) 直捏法と生地発酵省略法で製パンし,比容積を比較した結果,生地発酵省略法が良好であった.またショートニングを多くすることにより,グルテン,澱粉,ショートニングの相互作用が改善されて,ガスの放出が防止されることが明らかとなった.しかし内層はきめが粗く,質的にはなお,外麦製パンに比べて劣りやや硬いパンとなる難点が認められる.
Bibliography:ZZ20000202
322864
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.33.2_102