失業と農業構造 長野県宮田村の事例から

日本経済は1980年代を転換期としながら,農家労働力依存型から失業者依存型へ転じた.対象地では,リーマンショック後の不況下で,農家構成員に失業状態の者がいたが,これは90年代初めの不況期には見られなかったことで,ここに型の移行にともなう新たな状況が現れている.そして,99年の新基本法のもと,失業者が増加する不況局面で,農業・農村のセーフティーネット機能が期待されている.だが,農家にいる,失業状態・半失業状態にある青壮年労働力を吸引する受け皿として,農業は十分に機能しているとは言いがたかった.これは,農家の就業構造は,いったん展開の方向が定まると,景気循環に即応的には変わらない,ということである...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNōgyō keizai kenkyu Vol. 84; no. 4; pp. 203 - 218
Main Author 山崎, 亮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農業経済学会 01.03.2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0387-3234
2188-1057
DOI10.11472/nokei.84.203

Cover

More Information
Summary:日本経済は1980年代を転換期としながら,農家労働力依存型から失業者依存型へ転じた.対象地では,リーマンショック後の不況下で,農家構成員に失業状態の者がいたが,これは90年代初めの不況期には見られなかったことで,ここに型の移行にともなう新たな状況が現れている.そして,99年の新基本法のもと,失業者が増加する不況局面で,農業・農村のセーフティーネット機能が期待されている.だが,農家にいる,失業状態・半失業状態にある青壮年労働力を吸引する受け皿として,農業は十分に機能しているとは言いがたかった.これは,農家の就業構造は,いったん展開の方向が定まると,景気循環に即応的には変わらない,ということである.
Bibliography:851991
ZZ00015633
ISSN:0387-3234
2188-1057
DOI:10.11472/nokei.84.203