定点俯瞰分光反射率画像による水稲群落葉色モニタリングの試み 自動インターバル撮影による反射率指標と観測条件の検討

可視・近赤外域のナローバンド分光カメラ(Green: 560 nm、Red: 650 nm、NIR: 855 nm、半値幅10 nm)により、圃場脇から東向きに水稲の定点斜方視連続観測を行い、分光反射率を用いた葉色変動の追跡を試みた。水稲2品種を2種類の施肥水準で3反復を設けた枠水田を対象として、幼穂形成期前後の35日間、晴雨にかかわらず8:00~16:00、10分間隔で反射率画像を取得した。カメラ高度は約3 mで視野範囲に制約があったため、車輪付きのカメラ架台を毎朝、圃場長辺(約22 m)に沿ってあらかじめ設定した5か所の観測位置に移動させた。雲による遮光で8:00の晴天時太陽光強度を下回る...

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Published inJournal of the Japanese Agricultural Systems Society Vol. 34; no. 3; pp. 67 - 76
Main Authors 神田, 英司, 芝山, 道郎, 木村, 昭彦, 林田, 亮太, 下田代, 智英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published システム農学会 30.11.2018
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ISSN0913-7548
2189-0560
DOI10.14962/jass.34.3_67

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Summary:可視・近赤外域のナローバンド分光カメラ(Green: 560 nm、Red: 650 nm、NIR: 855 nm、半値幅10 nm)により、圃場脇から東向きに水稲の定点斜方視連続観測を行い、分光反射率を用いた葉色変動の追跡を試みた。水稲2品種を2種類の施肥水準で3反復を設けた枠水田を対象として、幼穂形成期前後の35日間、晴雨にかかわらず8:00~16:00、10分間隔で反射率画像を取得した。カメラ高度は約3 mで視野範囲に制約があったため、車輪付きのカメラ架台を毎朝、圃場長辺(約22 m)に沿ってあらかじめ設定した5か所の観測位置に移動させた。雲による遮光で8:00の晴天時太陽光強度を下回る場合のデータは除外した。個葉の葉色濃度(SPAD値)と葉面積指数(LAI)との積、すなわち群落としての窒素栄養状態に関わると思われる群落葉色指標:(SPAD - 30)×LAIとバンド反射率比:NIR/Greenとの相関係数は0.62(n = 4276)だった。さらに日平均値および時間帯別の反射率演算値による推定可能性を検討したところ、日平均値でr = 0.71(n = 128)、時間帯別では15:00~16:00で r = 0.73(n = 528)を得た。正午前後の各時間帯ではr = 0.62 (n = 690)で、上記より劣った。カメラ背後からの順光条件での観測によるNIR/Greenは、追肥前後の群落葉色指標の時系列変動を比較的的確に捉えていた。
Bibliography:ZZ00011894
926933
ISSN:0913-7548
2189-0560
DOI:10.14962/jass.34.3_67