ドライアイス由来の二酸化炭素処理によるカイコ卵の精核並びに卵核発生

カイコのB系 (w-2/w-2ch/ch mln/mln so/so p/p) とCre系 (T (W; 2) pSa re/re+ch/+ch+p/+p) との相反交雑から得られた発生初期卵をドライアイスを給源とする二酸化炭素で処理し, 簡単に精核・卵核発生およびモザイク卵などを誘発させ得ることを見出した。精核・卵核発生およびモザイク卵などの出現率が最高であったのは, 産卵後25℃で70分経過した卵を二酸化炭素中に90分ないし240分間封じこめた場合であった。 二酸化炭素処理によって出現した赤卵や白卵を薄層クロマトグラフィによって分析した結果, これらは精核・卵核発生中の re およびw-2...

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Published inNihon sanshigaku zasshi Vol. 57; no. 1; pp. 43 - 48
Main Authors 坂口, 文吾, 阿部, 小百合, 李, 偉清
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本蚕糸学会 28.02.1988
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ISSN0037-2455
1884-796X
DOI10.11416/kontyushigen1930.57.43

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Summary:カイコのB系 (w-2/w-2ch/ch mln/mln so/so p/p) とCre系 (T (W; 2) pSa re/re+ch/+ch+p/+p) との相反交雑から得られた発生初期卵をドライアイスを給源とする二酸化炭素で処理し, 簡単に精核・卵核発生およびモザイク卵などを誘発させ得ることを見出した。精核・卵核発生およびモザイク卵などの出現率が最高であったのは, 産卵後25℃で70分経過した卵を二酸化炭素中に90分ないし240分間封じこめた場合であった。 二酸化炭素処理によって出現した赤卵や白卵を薄層クロマトグラフィによって分析した結果, これらは精核・卵核発生中の re およびw-2遺伝子の発現によるものであることを確かめた。精核・卵核発生の場合, 約70%が催青死卵, 約2%が孵化卵であった。 二酸化炭素処理による卵核・精核発生の出現機構として, CO2と卵内のH2Oとの反応によりHCO3-が生じ, そのため卵内のpHが低下することによる可能性が示唆された。
Bibliography:ZZ00018606
390891
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.57.43