ニホンウズラの高近交系間の正逆交雑種における成長のヘテロシス

ニホンウズラの高近交系間の正逆交雑種におけるヘテロシスについて検討した。材料は2近交系(岡山近交系,豊橋近交系)およびそれらの正逆交雑種と無作為交配集団であった。2近交系は12世代(近交系数92.5%)まできょうだい交配の継続によって作出された。交雑種は豊橋近交系雄と岡山近交系雌の交雑(TO)および岡山近交系雄と豊橋近交系雌の交雑(OT)によって作出された。孵化とヒナの飼育の方法は当研究室の常法に従った。ヒナの体重は個々に16週齢まで毎週測定した。ゴンペルツ成長曲線が上記の5つのウズラ集団の成長の差異を解析するため適用された。 正逆交雑種では,成長のヘテロシス効果が成長過程全般において認められ...

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Published inNihon Kakin Gakkaishi Vol. 26; no. 2; pp. 93 - 100
Main Authors 前田, 芳實, ヘディアント, ヤヌアルソエディ, 佐藤, 勝紀, 猪, 貴義, 福田, 弘之
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本家禽学会 25.03.1989
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ISSN0029-0254
DOI10.2141/jpsa.26.93

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Summary:ニホンウズラの高近交系間の正逆交雑種におけるヘテロシスについて検討した。材料は2近交系(岡山近交系,豊橋近交系)およびそれらの正逆交雑種と無作為交配集団であった。2近交系は12世代(近交系数92.5%)まできょうだい交配の継続によって作出された。交雑種は豊橋近交系雄と岡山近交系雌の交雑(TO)および岡山近交系雄と豊橋近交系雌の交雑(OT)によって作出された。孵化とヒナの飼育の方法は当研究室の常法に従った。ヒナの体重は個々に16週齢まで毎週測定した。ゴンペルツ成長曲線が上記の5つのウズラ集団の成長の差異を解析するため適用された。 正逆交雑種では,成長のヘテロシス効果が成長過程全般において認められた。ヘテロシスの効果は特に,初期の成長段階(雄では1~5週齢,雌では2~7週齢)で顕著であった。しかし,0週齢時(孵化時)ではみられなかった。特に,雌の体重では,正逆交雑種(TO,OT)の間で差異が観察された。この差異は一部母性効果に起因することが示唆された。ゴンペルツ成長曲線を用いた解析によって,高近交系間の交雑種での成長速度はその起源となった近交系の場合に比較して成長過程全般にわたって優れていることが明らかになった。
Bibliography:421578
ZZ20005654
ISSN:0029-0254
DOI:10.2141/jpsa.26.93