ヒュウガナツの人為四倍体新品種‘カンキツ口之津41号’
1. ‘カンキツ口之津41号’は1982年に果樹試験場口之津支場(現 果樹研究所カンキツ研究口之津拠点)において,ヒュウガナツの人為四倍体として育成された,ヒュウガナツの少核果生産用の受粉用品種である。2001年~2005年に第9回系統適応性・特性検定試験にカンキツ口之津41号の系統名を付して供試した。その結果,ヒュウガナツの受粉樹用品種に適するとの結論となり,2008年10月16日付けで種苗法に基づき‘カンキツ口之津41号’として品種登録された。登録番号は第17066号である。2. 育成地において,樹勢は中庸でヒュウガナツよりやや弱く,樹姿は開張性でヒュウガナツよりも開張する。枝梢は太く,長...
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Published in | Kaju Kenkyuujo kenkyuu houkoku no. 18; pp. 13 - 22 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
20.11.2014
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ISSN | 1347-3549 |
DOI | 10.24514/00002125 |
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Summary: | 1. ‘カンキツ口之津41号’は1982年に果樹試験場口之津支場(現 果樹研究所カンキツ研究口之津拠点)において,ヒュウガナツの人為四倍体として育成された,ヒュウガナツの少核果生産用の受粉用品種である。2001年~2005年に第9回系統適応性・特性検定試験にカンキツ口之津41号の系統名を付して供試した。その結果,ヒュウガナツの受粉樹用品種に適するとの結論となり,2008年10月16日付けで種苗法に基づき‘カンキツ口之津41号’として品種登録された。登録番号は第17066号である。2. 育成地において,樹勢は中庸でヒュウガナツよりやや弱く,樹姿は開張性でヒュウガナツよりも開張する。枝梢は太く,長さおよび密度は中位で,短いとげが発生する。かいよう病,そうか病には強いが,軽度のステムピッティングが発生する。3. 育成地では,果実は平均234gでヒュウガナツより大きい。果皮は黄色で厚さは厚く,果面はやや滑らかである。成熟期は4月上旬である。果汁の糖度は平均10.7°Brixで,酸含量は成熟期に1.6g/100ml程度になる。果肉は黄白色で肉質は軟らかく果汁は多い。放任受粉における種子数は平均10粒程度であった。4. ヒュウガナツへの受粉試験の結果から,‘カンキツ口之津41号’の花粉をヒュウガナツに受粉させると,完全種子数は極めて少なく,平均で0.9粒となった。一方,放任受粉果実の完全種子数は平均で19.8粒であり,‘カンキツ口之津41号’の花粉の受粉処理により,ヒュウガナツの完全種子数は著しく減少した。また開花期がヒュウガナツとほぼ同時期であり,花粉稔性が高く花粉量が多いことから,本品種はヒュウガナツの少核果実生産用の受粉樹として,我が国のヒュウガナツ栽培地帯に活用できる。 |
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Bibliography: | ZZ20011205 890028 |
ISSN: | 1347-3549 |
DOI: | 10.24514/00002125 |