カンキツ新品種‘はれひめ’

1. ‘はれひめ’は1990年に果樹試験場興津支場において,‘E-647’(‘清見’בオセオラ’)に‘宮川早生’を交配して育成された品種である。1996年より‘カンキツ興津54号’の系統名でカンキツ第8回系統適応性検定試験並びに特性検定試験に供試した。その結果,2001年10月9日付けで‘はれひめ’と命名され,‘みかん農林14号’として登録のうえ公表された。さらに,2004年6月4日付けで,種苗法に基づき第12069号として品種登録された。2. 樹勢は中庸で,樹姿は直立性と開張性の中間である。枝梢は太く,短く,密生する。節間の長さは中位である。葉は小さく,翼葉は痕跡程度である。花は小さく,単...

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Published inKaju Kenkyuujo kenkyuu houkoku no. 4; pp. 37 - 45
Main Authors 吉田, 俊雄, 根角, 博久, 吉岡, 照高, 中野, 睦子, 伊藤, 祐司, 村瀬, 昭治, 瀧下, 文孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.03.2005
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ISSN1347-3549
DOI10.24514/00001795

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Summary:1. ‘はれひめ’は1990年に果樹試験場興津支場において,‘E-647’(‘清見’בオセオラ’)に‘宮川早生’を交配して育成された品種である。1996年より‘カンキツ興津54号’の系統名でカンキツ第8回系統適応性検定試験並びに特性検定試験に供試した。その結果,2001年10月9日付けで‘はれひめ’と命名され,‘みかん農林14号’として登録のうえ公表された。さらに,2004年6月4日付けで,種苗法に基づき第12069号として品種登録された。2. 樹勢は中庸で,樹姿は直立性と開張性の中間である。枝梢は太く,短く,密生する。節間の長さは中位である。葉は小さく,翼葉は痕跡程度である。花は小さく,単生する。葯は退化し,花粉は無く,‘清見’タイプの雄性不稔である。結実性は良好である。そうか病には強いが,かいよう病にはやや罹病性である。3. 果実は扁球形で平均180g位である。果皮は橙色で,果面はやや滑らか,厚さは4mm内外でやや厚いが,柔らかく,剥皮は容易である。浮き皮は少ない。果肉は橙色で,果汁量はやや多い。じょうのう膜は比較的薄く柔らかい。果汁の糖度は比較的低いが,減酸が早く,オレンジ様の風味があり食べやすい。果皮の完全着色は12月上旬~中旬,成熟期は12月上旬頃で,年内の出荷が可能である。普通無核であるが,有核果でも含核数は少ない。4. 栽培可能な地域は広いが,品質の良い果実の生産には,夏秋季に降雨が少ない地域での栽培や,土壌水分をコントロールしやすい様式での栽培が望ましい。
Bibliography:ZZ20011205
900390
ISSN:1347-3549
DOI:10.24514/00001795